青は先生
2学期が始まってからかなりたったな、もうすぐ中間テストだし、昼休みチカは意外にも勉強してる、サエはユメちゃんの先生、ミッチーは沈没、ダイチは勉強する気になれないらしい、俺は爆睡
「そこは、因数分解を…」
みたいな感じで、放課後、俺が理系の先生でサエが文系の先生になって補習
「やっと、終わりましたね」
ミッチーは意外にも勉強が嫌いらしい
「ミッチー頑張れよ、頭が悪いと美しくないぞ」
「カイ君、お心遣いありがとう、でも人には向き不向きが…」
「勉強に言い訳しても変わらないぞ」
ミッチーは納得したっぽいけど凹んでる
「カイ、少し分からない所があるから、勉強手伝って」
サエが他人に勉強聞く何て、有り得るんだ
「良いよ」
断る理由もないし、頼られてるんだから答えるのが友達ってもんだろ。
俺はチカをユメちゃんと帰らせて、サエがいる図書室に行った
「悪い、チカを説得するのに時間がかかった」
「気にしてない。で、ここなんだけど…」
高校一年くらいの数学だった、これくらいなら簡単だな
「…この方程式を解けば答えがでるだろ」
「ホントだ、ありがとう」
別に良いんだけど、どうしても気になる事が一つ
「何でこんな問題やるの?」
「良い高校に行くため」
「なら受験勉強すれば良いじゃん」
「知識が多いに越したことはないでしょ」
確かに、でも遊ぶのを我慢してまでやるものなのかな、変な奴だな
「カイは何で勉強できるの?」
「毎年一学期の一ヶ月の間に全部頭に入れてるから」
「何で?」
「寝るため」
サエが腹を抱えて笑ってる、そういえばサエが笑ってるところ、始めて見たかも
「なんだ、サエ笑えばカワイイじゃん」
「えっ?」
サエの顔が、一気に真っ赤になった、思った事口に出したのがヤバかったのかな
「ホントに?」
「うん、無表情より良いよ、笑ってればカワイイよ」
「カイって優しいね、チカが羨ましいよ」
羨ましい?どういう意味?世間一般的に考えてか、ってか優しいって始めて言われたかも
「ありがとう」
「何でカイが感謝するの?」
「だって優しいって言われたから」
「そんだけ?」
そっか一般ピープルからしたらそれくらい当たり前か、でも俺にとっては大きな事なんだよな、無愛想だの冷たいだの言われて来たからな
「始めて優しいって言われたんだもん、前の俺からは考えられない事だよ」
「前の俺?」
「前の俺だったら学校も遅刻してきたし、補習なんてしないし、笑わないし、話もしないかったよ」
サエが唖然としてる、想像もつかないのかな、でも俺からしたら今の方がビックリだけどね、やっぱり変われたんだ
「どうして変わったの?」
「チカとユキとマミ姉のお陰」
「ユキさんと知り合いなの!?」
ユキの言葉に反応したけど、何かあるのかな
「知り合いってか、義理の兄弟」
「兄弟!?」
そこまで驚く…、事だな、義兄弟だもんな、東京でも聞いた事ないし
「まあね」
「そうなんだ…」
「何かあるの?」
「え、えっと…」
ユキ、何かしでかしたな、アイツの事だから傷付けるような事はしてないと思うけど
「嫌なら言わなくても良い…」
「初恋の人なの」
は、初恋!?ユキに?確かにカッコイイけど、ユキにはマミ姉がいるし
「でも…」
「ユキさんにはマミさんがいるってのは知ってる」
「儚い恋か、辛いな…」
サエが可哀想に思えてきた、ダイチといいサエといい、青春は人それぞれか
「いつもそう、私が好きになる人は、私に見向きもしない人ばかり」
「だから勉強を?」
「何で分かったの!?」
「だってサエみたいに叶わない恋でもするような女の子が、黙々と勉強する訳ないだろ、普通は恋を探すはずだよ、でも逃げるためなら納得がいく」
「当たり。でもまた叶わない恋をしちゃったんだよね」
やっぱり根は変わらないのか、サエの場合は苦い青春か
「ミッチーとか?」
「いつか分かるよ」
サエはそのまま帰っちゃった、サエの恋も叶う時が来ると良いな、サエは女の子の辛い部分を知ってるから強くなるよ