表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/57

青のケジメ

俺はある場所に向かってた、過去にお別れと報告をするために。

その途中、見慣れた奴がいた、あの時はうるさい奴だったけど、今は幼馴染みと思える

「井上」

「おうカイ、来てるなら連絡くれよ」

俺は井上に夏休みにあった事を全部話した、島に済むことも、チカの事も

「ウルマさん、カイをよろしくな」

「任せろ」

「何かミナに似てるな、この子」

「そうか?似てないだろ」

「で、何しにココに?」

「ミナと話に」

今、俺はミナの家の前にいる、今なら手を合わせることも出来るような気がした

「頑張れよ」

井上は帰って行った、コイツと会うのもこれで最後かもな


“ピンポーン”

「はい!」

中からミナのお母さんが出てきた、何も変わってない。

あの時の事がフラッシュバックのように頭を駆け抜けて行った、でも今ならその事実を受け止められる

「どうも久しぶりです」

「シシキ君?」

「すみませんでした!ミナの葬式も何も行かないで、自分一人が逃げてて!良ければお線香をあげたいんですが…」

ミナのお母さんが泣いてる、虫のいい話だってのは分かってる、遅いのも分かってるでも

「ありがとう、ミナも喜ぶわ、さぁどうぞ」

俺が通された部屋には、ミナ仏壇があった、お線香をあげて、手を合わした

「ミナ、遅くなってゴメンな、守れなくてゴメンな。だからミナの分まで俺は幸せになる、俺がミナと同じところ行ったら、最高の思い出話してやるから、少し待っててくれ」

胸に引っかかってた物が、無くなった気がした、楽になった

「カイ、もう良いの?」

「まだある」

「何?」

「ミナ、これ俺の彼女、ミナに言うのは筋違いだと思う、でもチカをミナみたいにはさせない、ミナとチカに誓うよ」

これで俺は一歩前に進めた気がした

「シシキ君、お茶飲んで、そちらのお嬢さん…」

あれ黙っちゃった、チカが何かしたのかな、それともチカを連れてくるのはまずかったかな

「ミナにそっくり」

『へっ?』

「顔とかじゃないわよ」

性格もな

「雰囲気が何となくだけど、ミナに似てる」

実の親が言うんだから確かなんだと思う、井上も同じような事言ってたし。


その後長々とミナの思い出話をして、帰った

「じゃあ帰るか」

「その前にお腹空いたから何か食べよ」

「そうだな、まだ約束の時間まであるし」


俺達は近くにあったファミレスに行った、そのファミレスは中高生の溜り場みたいなもので、何人か知り合いがいたけど、あえて触れがたい雰囲気を出して席に着いた

「何頼む?」

「アタシはね、ミックスグリルとポテトとリゾット」

呆れた、普通男の前では守りたくなる女を演じるだろ、少なくとも俺の中ではそうだけど

「じゃあミックスグリルとライスで」

「少食だな」

「チカが大食過ぎるんだよ」

こんな大食だとは知らなかったけど、チカらしいって言ったらチカらしい

「ユキとマミ姉は今頃、必死に宿題やってるんだろうな。チカはやったの?」

「無いもん」

気楽で良いよな、あの二人は徹夜覚悟なのに

「ユキとマミ姉がいなくなるのは、やっぱ悲しいよな」

「でもアタシは一人じゃないもん」

「学校の友達もいるだろ」

「あ!そっか!」

馬鹿だ、本物の馬鹿だ、今頃気付くな、でも一人だったのは確かだと思うな

「クラス何人?」

「アタシ入れて5人」

そんなものだろうな、逆に30人です、って言われた方がビックリだよ

「どんな奴ら?」

「うるさいのに、ホモに、ガリベンに、ガキ」

濃い、何か物凄く濃いクラスだな、俺、ついていけるの?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ