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青のミス

夏休みもあと三日、ユキとマミ姉が明日で帰るから今日で最後のみんなで波乗りだった

「なんか寂しいな、ユキはもういなくなるんだろ」

「しょうがないよぉ、冬休みにはまた戻るからぁ」

待つか、チカもいるし、毎日サーフィン出来るし、新しい学校もあるし…

「あぁ〜!!」

「な、何だよぉ?」

「転校の手続きしてない!東京に行ってフェリーで帰って来ると、学校に間に合わない」

そう遊びまくってて、住民票もこっちに移さなきゃいけないし、前の学校にも転校の事言わなきゃいけないし、次の学校にも…、最悪だ

「どうするのぉ?」

「わかんない、おとぉとおかぁに話してくる」


…結果、明日ユキ達と一緒に行き、帰りはこの島の漁師さんの船で帰って来る事になった、軽く走馬灯を見るところだった

「良かったなぁ、俺とマミは着いて行けないけど、スムーズにいくと良いなぁ」

「何で行けないの?まだ期間あるじゃん」

ユキの顔から血の気がひいていった

「俺が宿題やってるところ見たことあるぅ?」

「終わったんじゃないの?」

「俺がやるわけないだろぉ、マミもやってないらしいからぁ、徹夜で頑張るぅ!」

マミ姉がやってないのは以外だった、しょうがないから一人で行くか。


朝起きてユキの支度を手伝って、俺も支度をして家を出た、外にはマミ姉とチカがいた

「カイ、全部聞いたぞ、アタシも行くからな」

「何で?」

「お守りだ!」

嘘だ、絶対一人だと泣くからだ

「遊ばないぞ」

「え〜」

遊ぶ気満々だったんだ、こっちには時間がないんだよ

「早く行かないと間に合わないよ」

「ホントだ!チカ行くぞ」

小走りで港に向かった。


港には船が着いてた、みんなで乗って俺はすぐに寝た、乗り物酔いが激しいから、船は仇みたいなものだ、マミ姉の次に怖い存在でもあるかな


「…ろ!」

“ボフッ!”

腹に何か落ちた、ってか苦しい、眠い

「起きろ!」

“バチン!”

「何すんだよ!?」

「早く降りるぞ!」

腕を引っ張られてフェリーを出た、これってデジャブ?確か、島に着いた時も同じような事が…

「カイ、遅すぎぃ」

「カイ君、自分で起きれるようになろうよ」

「すみません」

船って起きてると気持ち悪いけど、寝ると爆睡なんだよな

「俺達はカイ達と違う方向だからぁ、ココでお別れねぇ」

「学校頑張れよ」

「カイ君もね」

二人と別れた、何か寂しい、チカはこれを一人で乗り越えたんだよな、辛いな

「じゃあ行こ…、って泣いてる?」

「う、うるさい」

いつまでたっても泣き虫は変わらないんだな、しょうがないから手を引っ張って駅に向かった。


久々の東京は何も変わってなかった、乗り換えて俺が住んでた街まで行った

「懐かしい?」

「心地よくは無いけどね」

あの街に行くのは嫌だった、今気づくと空気も最悪に悪いし。


俺が住んでた街もほとんど変わってなかった、でも唯一変わっていたのが

「やっぱり家が無い」

「ココにあったんだよな?」

無言で頷いた、寂しさはなかったけど、虚しさはあった。


早く帰りたかったから、とりあえず役所に向かって、住所を変えてきた、その後学校にも行って転校の手続きをした、校門から出た時の事だった

「…シシキ君?」

最悪だ、さっさと帰りたかったのに、よりによってコイツに会うとは

「渡辺か、何?」

「帰って来たんだ」

「違う、転校するからそのために来た」

「えっ?」

驚いてる、そりゃそうだろうな、でも俺はココに未練もない

「何で?」

「親に捨てられたから」

「どこに転校するの?」

「この前の島」

「となりの女の子は?」

チカの顔を見た

「彼女?」

「何で“?”なんだよ!公認のカイの女だよ!」

「だって」

更にショックを受けてる、他人を傷付けるのは好きじゃないけど、こうでもしないと離れてくれないと思って

「こんなガサツな女のどこが良いの!?」

「今何て言った?」

「だから、こんな女のどこが良いの?」

コイツ、ここまで腐ってるとは思わなかった

「ふざけるな!テメェみたいな女に、何が分かる!行くぞチカ!」

俺は始めて女の子にこんな暴言を吐いた、チカの手を引いてその場を立ち去った。

あの女はその場に立ったまんまだった、他人の前でココまで感情的になったのは始めてだった

「良いのカイ」

「良いんだよ」

「あの時のカイ、怖かった」

「ゴメン」

チカが脅えてる、かなり強引だったから驚かしちゃったかな

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