白と黒の直感
今は家にいる、チカを送って帰ってきた、何で俺はキスをしちゃったんだろ、しかも好きだとも言っちゃったし、後悔はしてない、でも告白とかデートとか手を繋ぐとか、いろいろステップ飛ばしてるよな、でも…、恋愛成就!
「何にやついてるのぉ?」
「な、何でもないよ」
ユキは疑いの目で俺を見てた、俺は苦笑いをしてユキを見た。
そういえば、ユキもキスした後なんだよな、よく普通でいられるな、しょうがない少し探ってみるか
「チカには隠し事しないでくれよ」
「俺とマミのこと?」
「へっ?」
意外だった、なるべくぼかして言ったのに、全部お見通しだったらしい
「カイが走って行ったの見えたからねぇ、今頃マミがチカに話してる頃だよぉ」
そういえばあの時叫んだかも、それが聞こえて…、我ながら不覚也
「そうなんだ。良いの?隠してたのに」
「別に隠してた訳じゃないよぉ、言わなくてもいいかなぁ、ってぇ」
それでチカが苦しんだのに、まぁ俺らの事は秘密のままで良いだろ
「カイ達はどうなのぉ?」
おい!!いきなりかよ、不意打ちにも程かあるだろ、いかにも俺がチカの事好きなの知ってます的な発言は
「カイはチカの事好きなんだろぉ?」
ってバレバレかよ!ユキの鋭さに脱帽だよ、ヘラヘラして実は観察してたな、あなどれない
「まぁ、俺は好きだけど…」
「やっぱりぃ、あの調子だとチカもカイの事好きだと思うよぉ」
「そうだと良いよな」
ユキ恐るべし、ユキが気付いてるって事は当然…
「マミもそう言ってるんだから確かだよぉ」
やっぱり、ユキが気付いててマミ姉が気付かない訳ないもんな、俺は全く気付かなかったのに、ある意味恋は盲目だな
「応援してるよぉ」
「ありがとう」
でも俺らの方が一枚上手だったらしい、だってステップ3くらいまで来ちゃったもん
「ユキとマミ姉はいつから?」
「高校入ってすぐくらいかなぁ」
「キスは?」
「同じ時ぃ」
島から離れて二人きりになった途端これか、お互い何となく気付いてたけど、周りの目が気になったんだろうな、特にチカは離れなかったと思うし
「気付かなかった」
「鈍感だなぁ」
普通だろ、ってかユキとマミ姉の鋭さにビックリだよ。
昨日はユキのペースだった、肝心なところは言ってないから良いか。
いつものように海に行く途中、チカが周りに聞こえないように
「ゴメン全部バレた」
「俺も」
まだ顔が険しい、何かあったのかな
「キスの事も…」
「えっ!?」
「マミ姉のペースで、ポロッと」
恐るべし悪魔、後ろを向くとマミ姉とユキが笑ってた
「やるなぁ、カイ」
「全部知ってるよ」
何で気付かなかったんだよ、マミ姉の前では嘘は通用しない事に
「キスしたことも」
『うん』
「俺が好きって言った事も?」
『うん』
「チカ〜」
「ゴメンゴメンゴメンゴメン!」
隠し事無しは良いんだけど…、何か悔しい、後ろからマミ姉が肩を叩いてきた
「何?」
「チカちゃんを頼んだよ」
スゲェ笑顔、しょうがない諦めるか
「当たり前だろ」
「カイ〜、ホントにゴメン」
「良いよ別に、しかも、もう隠さなくてもだろ」
チカの肩に手を置いて俺の方に寄せた
「なっ?」
「少なくとも、俺は楽になった」
思いっきり笑って、チカを見た
「アタシも!」
チカも返してくれた、ってかユキとマミ姉が呆れてるし
「あれはどうなのぉ?」
「ある意味私のミスかもね」
勝った…、でも自分の気持ちも言えたし、秘密もなくな…ってないな、後であの事をチカに言わなきゃな
「そういえば今日夏祭りあるんだよね」
「何それ?」
「毎年神社でやってるお祭り」
「もうそんな季節なんだ、カイは行くだろ?」
「楽しそうだから行くよ」
「じゃあ、今日の夕方にユキ君の家に集合ね」
夏祭りか、何年くらい行ってないんだろ、久々のお祭りにテンション高くなってるし