青と赤の秘密
いつも通りに起きて、いつも通りにサーフィンをした、一つ違うところは、マミ姉のボディーボードが加わった事だ、楽しい時間はあっという間に過ぎるとは言うけど、ホントにあっという間だった。
みんなでうちにボードを置いた、俺とチカは久しぶりに夕日を見に行った
「じゃあねユキ、マミ姉」
ユキとマミ姉と別れていつもの所に行った
「まだ時間があるな」
「これからカイとこうして、いつでも夕日が見れるんだよな」
「そうだよ」
チカと夕日を見ると、ちょっとずつ心の氷が溶けてくるような気がする
「カイが来てから、アタシ素直になれた気がする」
「俺も、他人との触れ合いが好きになった」
「アタシ達、会って変われたのかな?」
「少なくとも俺は変われた」
夕日が沈んで行くのを二人で静かに眺めてた、今日の夕日はいつもと違う気がした。
俺とチカは海沿いの堤防の陸側を歩いて帰った、灯が十数mに一つの割合であるから暗い、東京だったら100%痴漢がでるくらいの暗さだった。
でもこの島で暗い場所は、星が綺麗に見える場所、今も見上げると星に押し潰されそうなくらいの星空だった
「スゲェ星空」
「そうかぁ?普通だろ」
慣れって怖いな、でも毎日これだったら、普通だな
「東京はこの一割も無いよ」
「何で!?」
そんなに驚く事か?しかも一歩退いて
「明るいから、光が届かないんだよ」
「そうなんだ、じゃあこの星空は大事にしないとな」
「良いこと言うじゃん」
そう言ってチカの頭にそっと手を置いた。
チカは頭に手を置くとキュッと縮まって顔を真っ赤にするんだよな、今は暗くて分からないけど、顔は真っ赤だろ
「早く帰ろ」
「…うん」
チカと空を見ながら帰ろうと歩いていた時、堤防の上に人がいた、暗いからよく把握できない
「誰かいるよな?」
「マミ姉とユキだ…」
「何でわかるの?」
「嘘だろ?二人で寄り添ってる」
普通にスルーされた…、って寄り添ってる?何で?
「う、むぅ!ん!」
驚いて叫びそうになった時、チカに口を手で塞がれた
「ぷはっ!何すんだよ?」
「うるさい、何か二人がおかしい」
「おかし…、っておい!」
チカ走って近づいて行った、何だよ急に、何も説明しないで一人で行くなよ、しょうがないからついていった
「どうしたんだよ?」
「黙れ。見てみろ」
俺はユキとマミ姉を見て自分の目を疑った、ユキの唇とマミ姉の唇が重なってた、キスをしてた
“ザザッ!”
振り返るとチカが走っていた、俺はユキ達に背を向けてチカを追った。
暫く走ったあと、チカは止まった、そこは周りが木に囲まれた道の真ん中だった
「はぁはぁ…、何で逃げるんだよ?」
「カイ、マミ姉とユキは何してた?」
チカは涙声だった
「それは…、キスしてた」
「アタシ、マミ姉達がそういう関係だったなんて知らなかった」
「言いづらかったんじゃないの?」
「何で!?何でアタシには言えないの!?」
振り向いたチカは泣いてた
「関係を壊したくなかったんじゃない」
「だから何で!?」
チカは気が動転してた、俺はチカの両肩に手を乗っけた
「分かってやれよ」
「分からない!」
怒って後ろを向いてしまった、俺はチカを後ろから抱いた
「別に良いじゃん、俺らも同じことすれば、±0だろ」
「えっ?」
振り向いたところに、キスをした、ってか俺何してるんだよ、確かに嬉しいけど、チカは迷惑だろ
「なっ」
「…ばか」
チカの顔が暗がりでも分かるくらいに、真っ赤になった
「ユキとマミ姉に秘密な」
「い、言えねぇよ!」
「ユキとマミ姉もこういう感じだったんだろ」
「そっかぁ…」
これで治まれば良いけど…、それにしても俺もやるようになったな、急にキスするとは…
「でも、まだ納得いかない」
「何で?」
「だって不意打ちだろ」
そう言ってチカは目を瞑って顔を近づけきた、唇に柔らかいものがあたった、俺も目を瞑った
「俺、チカの事、好きかも」
「アタシはカイの事大好き!」
チカが思いっきり飛び付いてきた、チカってこんなに積極的なんだ。
俺はこの時、チカを何があっても守り抜く決心がついた