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白はお兄ちゃん

昨日はすぐに眠ってた、頭の中がごちゃごちゃして疲れてたんだと思う。

昨日はチカに心配かけたから、今日は楽にさしてやるか

「おはよ」

「おう、カイ。大丈夫か?」

チカにはもう心配をかけたく無かったから、笑顔を作った

「余裕余裕!引きずらない男だから」

「ホントに?」

「ホントだ」

内心まだ少しきつかったりする、でもチカの前では強がっていたかった

「シシキ君、暫くはうちにいていいからね」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

早く次の事を考えないと、自分に整理がつかない

「カイ、今日はどうするつもりなんだよ?」

「一応ユキとマミ姉にも話そうと思ってる」

「そっか」

あの二人に話さなきゃいけない感じがした、話す事で俺が一歩進めるような気がした。


海に行った時、俺とチカはボードを持っていなかった

「あら、二人ともボードは?」

「今日は必要ないから」

「何で?」

「話があるんだ」

そういって海に出てるユキを呼んだ

「あれぇ、二人ともボードはぁ?」

「あのさぁ、話があるんだ」

そういって俺は昨日の手紙の事、通帳の事を全部話した

「それで、カイはどうするのぉ?」

「そうよ、今は家も何もないんでしょ?」

「あるのは1000万だけ」

「そんな金どうやって集めたんだろぉ?」

この事を言わなきゃな、極力自分の家の事は言いたくなかったんだけど

「親が社長やってるから」

『社長!?』

皆がビックリすると、こっちまでビックリする

「聞いてないぞ、何でアタシに言ってくれなかったんだよ?」

「言いたく無かった」

俺は親父の事がこの世で一番嫌いだった

「何で?」

「アイツ俺の事を同居人としか見てないんだよ」

「じゃあ何で金なんか?」

「手切れ金のつもりだろ」

親父は金で何でも解決しようとする奴だった、俺が喧嘩して相手の骨を折った時も、学校のパソコンにウイルス入れた時も、全部札束出して無言で帰ってきた、そんな親父が嫌いだった

「何の会社か聞いても良い?」

「今流行りのITだって、だから1000万くらい端金なんだろ」

「スゲェ…」

子供も金で切ると思うと、ムカツク

「あのさぁ、俺んちに居候しない?」

「へっ?」

「だからぁ、うちで暮らさない?」

「良いのか?」

「当然!」

嬉しかった、あの最悪な家族とも縁が切れて、この島に残れるこんなに良いことはないだろ

「マジで!?ユキんちが良いなら喜んで!」

「じゃあ、今から話つけるかぁ」

「良かったな、カイ」

「でも、帰らなくていいの?」

「良いの、良いの。この島にいた方が100倍楽しいから」

俺は新しい人生に希望が生まれた、チカとも毎日会える、ユキと毎日サーフィンできる、マミ姉と毎日話せる、それだけで何もいらない。

チカやマミ姉と別れて、俺はユキの家に行った、居候願を出しに、でも、ユキの独断であって、ユキの家の親が頑固だったらどうしよう。

「ユキの親って、どんな?」

「会った事あると思うよぉ」

「いや、そんなハズは無いと思う」

「まぁ、会えば分かる」


ボチボチ歩いたころだった

「ココが俺の家ぇ」

そこはサーフボードがいっぱい立掛けてあった。

ユキは玄関に行った

「おとぉ!おかぁ!話があるんだけどぉ」

もしかして、ココって…、まさかなぁ、でも俺のボードとチカのボードもあるし…

「何だよ!うるせぇな!」

この声まさか…。

中から金髪のおじさんが出てきた

「ジョニー!?」

「おう!カイじゃねぇか!」

もしかして、もしかすると

「ユキのお父さんって、ジョニー?」

「そうだよぉ」

どうりでユキがサーフィン上手い訳だ、血統書付きとはこの事だ

「おとぉ、話があるからおかぁ呼んできてぇ」

「おう!」

ユキに案内されるまま、家に入った、極一般てきなリビングに通された

「ユキ!呼んできたぞ!話って何だ!?」

「実はぁ…」


これまでの事を全部話した、通帳の事、手紙の事、親の事、居候願の事

「カイはそれで良いのか?」

「はい」

「おかぁちゃんはどう思う?」

今までずっと黙ってたユキのお母さんにふった、お母さんは目が怖い、それ以外は普通なんだけど、とりあえず目が怖い

「私は良いわよ、人手が増えて有り難いし」

声低っ!ドスが聞いてて威圧感がある

「ユキは良いのか?」

「俺は良いよぉ」

ジョニーが暫く腕を組んで険しい顔をしてる、もしかして…、と思ったその時、いつもの顔に戻って

「おかぁちゃんがOK出したら誰も逆らえねぇ!カイ!居候と思うな!今日からカイ儂らの家族だ!」

「あ、ありがとうございます!」

嬉しかった、ユキの暖かさの源も何となく分かったし

「もっと楽にしろ!儂らは家族だぞ!」

「じゃあ、俺はカイのお兄ちゃんかぁ、これからは“お兄ちゃん”って呼べよぉ」

「それは断固拒否」

「えぇ〜」

案外落ち込んでた、そんなに弟が欲しかったのかな

「じゃあ、これからはカイも、おとぉ・おかぁって呼ぶのかぁ」

「そうだな!その呼び方以外しっくり来ないしな!」

少し戸惑ってた、急にそこまで

「分かったな!?」

「分かったよ、お、おとぉ」

「それでいい!」


その後チカとマミ姉に報告しに行った、二人とも喜んでくれてたみたいだった。

これから新しい生活か、楽しみだな。


これでチカとの別れの涙を流さずにすんだ

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