赤の大きさ
朝が清々しい、昨日はいろいろあったな、チカを襲った奴は俺に会うと目をあわさないで行ったな、チカは俺からずっと離れなかった(かなりおいしかったけど)。
そんで今日からは、サーフィンライフ!天国の日々、昨日のウップンを発散
「おはよう、チカ、もう大丈夫なの?」
「そんな引きずるほど弱くないから」
「なら良かった」
チカは思ったより元気そうだった、安心したけど、昨日の落ち込み方から考えると、少し疑問が残る
「今日から俺は海に行くけど、チカはどうするの?」
「行くに決まってんだろ」
「じゃあ飯食ったら行くか」
「おう」
これから暫くの間はこの生活が続くんだ、でも俺はチカやユキ、マミ姉がいない生活に耐えられるのか?
「どうしたカイ?」
食べ終った後の食器が片付けられてた
「いや、別に」
「じゃあ着替えたら降りてこいよ」
「分かった」
俺は着替えて降りて行った
「じゃあ行くか」
ジョニーの所でボードをとって、海に向かった、海ではユキとマミが話してた
「おはよ」
「おっ、カイとチカかぁ、おはよぉ」
「朝からベタベタしてんじゃねぇよ!」
あっ、蹴った、何か恒例になってるな、この後は
「痛ぁ」
このくだりはよく見るな
「チカちゃん、ユキ君が可哀想じゃない」
「そうだよぉ、俺が可哀想だよぉ」
「馬鹿ユキが!」
また蹴ろうとしたけど、俺が一応止めておいた
「もう蹴るな」
「う〜〜」
いじけてるよ、そんなにユキをイジルのが生き甲斐なのかな
「カイ、チカがいじめるから海にでよぉ」
「理由はともかく、海に出るか」
俺とユキは海にでた、チカはというとマミ姉と話してた
「ユキ、昨日どうだった?」
「どうだったってぇ?」
「マミ姉と」
ユキがガタガタと震え始めた、そんなにヤバかったのかな
「カイ、その話は触れないでぇ」
気になる、俺の中に眠る野次馬の血が騒ぐ
「ちょっとだけでも」
「ショック死するかと思ったぁ」
聞いた自分を悔いた、多分いつも見てる悪魔じゃなくて、魔王が出てきたんだと思う
「辛かったな、ユキ」
「ありがとぉ、頑張るよぉ」
その後はずっとサーフィンをしてた、チカも少ししてから来た、その日は一日中しつづけた。
「カイとかは明日も来るよなぁ?」
「行くよ」
「じゃあ、また明日ぁ」
「じゃあね」
ユキとマミ姉は一緒に帰って行った、俺はチカと一緒に少しの間海にいた
「あとどんくらいこの島にいるの?」
「一週間くらいかな」
「一週間後には帰るんだよな?」
「そうだよ」
「そっか…」
やっぱりこの話をすると悲しい
「俺がいなくなるからって、泣くなよ」
「泣くかも」
えっ?何か嬉しいけど複雑だな、俺のタメに泣いてくれるのは嬉しいけど、俺のせいで泣かれるのは困る
「嘘だよ、泣くわけないだろ!」
「泣かないように頑張れよ」
「泣かないって言ってるだろ!」
「何だよ、泣いてるチカは可愛いのに」
「なっ!?」
顔を真っ赤にして、そういう所が可愛いんだよな、って俺何でこんなキモイ事言ってんの
「そうだ、久々に夕日見に行こうよ」
「分かった」
まだ気にしてるのかな、チカって案外こういうのに弱いんだ、今度から使っていくか。
着いたころには空が赤みがかってた、いつ見てもいいな
「綺麗だな」
「いつも同じ事言ってるよな」
「それしか言えないんだもん」
「でも、やっぱり綺麗」
海にレッドカーペットができて、俺らの方まで伸びてる
「何な夕日に歓迎されてるみたい」
「この島でカイを歓迎しないのはいないよ」
「嬉しい事言ってくれるじゃん」
こんな俺なのにチカとかは、すんなり受け入れてくれた
「俺、みんなに感謝してる」
「何で?」
「友達のありがたみ、それを教えてくれたから」
「アタシも感謝してる」
「何で?」
感謝してる、その言葉が嬉しかった
「アタシ、いつも一人で泣いてたんだ」
「今でも泣いてるじゃん」
「違うよ、カイが来てから、ずっとカイの前で泣いてる、何か文字通りカイは私を包んでくれる海みたい」
人に頼られてる、始めてかも、そう思う事も思える事も
「じゃあチカは海の氷を溶かしてくれる、太陽だな」
「大袈裟だな」
「チカもな」
チカに会ってから素直になったし、笑うようになった、チカのお陰で毎日が楽しくなった
俺、気付くとチカの事ばっか考えてる、多分チカの事、大好きだからかな……