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青の仕事《前編》

朝起きたら身体中が痛かった、フリークライミングをやってるから筋肉痛じゃない、この痛みは日焼けだ、確かめるタメに鏡の前に行った

「黒っ!」

比較的、インドア派の俺が一日中海にいたんだから焼けるよ

「うるせぇよ!朝っぱらから騒ぐ…。黒」

「いや、チカに言われたくないよ」

「早く飯食え、仕事の説明するから」

そういえば今日からか仕事、ってかこのタメに来たんだよな、頑張るか。

飯を食い終わって、暫く休んでると、ユキとマミ姉が同伴出勤してきた

「おはよぉ…。黒ぉ」

「チカと同じ反応ありがとう」

「カイ君真っ黒ね、白くて綺麗な肌だったのにね」

「案外凹んでるんだから、あんまり触れないで」

「今からでも日焼け止め塗れば何とかなるよ」

「ホントに、マミ姉?」

「うん」

日焼けなんて何年ぶりだろ、海にも行かなかったし、外にも出なかったから日焼けなんて無縁だったからな

「いつまでクヨクヨしてんだよ、ほら仕事の説明するからこっちこい」

チカとかユキは黒いから良いよな。


「あ〜あ、俺ほとんどみんなと会えないじゃん」

「そんな気にするな、忙しいからそんな事気にする暇も無いから」

これから部屋の片付けやら用意だけは一緒だけど、後はずっと厨房、料理の補助だけだけどきつそうな内容だ。

部屋の準備は二人一組で、俺はマミ姉とペアになった

「マミ姉は前にもやった事あるの?」

「あるよ、いつもは私とチカちゃんの二人と、ユキ君一人だったんだけど、カイ君がいるから早く終りそう」

「ふ〜ん、変なお客さんとかもいたでしょ?」

「セクハラみたいな事はたまにされるよ」

「子供なのに?」

「うん」

「…ムカツク」

「何でカイ君が怒るの?」

「だって人間としてありえないだろ」

「そうだけど、大体ユキ君がお客さんに怒鳴って、その後でチカちゃんのおじさんにゲンコツ貰ってるよ」

「ユキも怒るんだ」

「怒るよ、しかも凄い怖いよ」

こんな話をしながら仕事してたら、いつの間にか終わってた

「こっちは終りました」

「ありがとね、シシキ君が来てくれて助かるわ」

チカの親は娘とは違って、普通だった、ってか家中あれだった疲れるよな

「カイとマミ姉、早いね」

「ユキ君とかは、遅かったね」「どうせチカがユキを蹴ったりしてて、仕事が進まなかったんだろ」

「流石カイ、よく分かってるぅ、遅いとか言ってすぐ蹴るんだよぉ」

「ユキが遅いからいけないんだろうが!」

また蹴りを入れてる

「痛ぁ!こんなだから進まないんだよぉ」

「じゃあみんな、もうそろそろお客さん来るから、私とチカは迎えに、キキシタ君とアララギさんは出迎え準備、シシキ君は食事の準備をお願い」

かったる、でもこれを乗り越えれば後はサーフィン漬け、二日間頑張るか

「そういえば、何の団体なの?」

「塾の旅行か何かだってぇ、よくこんな所にわざわざ来るよなぁ」

「ホントだよな。あっ、ゴメン俺、やらなきゃいけない事があるから」

「頑張ってね、カイ君」

「頑張れぇ」

呑気だな、ってか何で俺だけこんなハードなんだよ、初心者だぞ。


疲れたぁ、厨房は軽い戦争だった、あれやれ、あれ取れ、あれはまだか、もう無理

「カイ、お疲れぇ」

外で涼んでたら、ユキがジュースをくれた、そういえば飲まず食わずだったな

「ありがとう」

「何か始めからあれは、キツかったでしょ?」

「かなりね。ユキは女の子に取り囲まれてたよな?」

「ああいうの慣れないんだよなぁ」

「それなら厨房の方が良いかもな」

「確かにぃ、マミも同じようなもんだよぉ、男からのお誘いがひっきりなしに…」

「ヤキモチ?」

「別にぃ」

ユキも分かりやすいな、でもマミ姉もユキの事知ってるんだよな、ユキも可哀想に

「あっ、ユキさ〜ん!」

前から女の子の集団が、やりづらいな

「じゃあユキ、後は楽しんどけ」

「えっ?カイはぁ?」

「逃走!」

そう言って逃げようとした時だった、聞いたことある声が俺を呼んだ

「シシキ君?」

「誰?」

「私、渡辺」

え〜と、たしかこっちに来る前に俺にコクって来た奴か

「渡辺か…、ってはぁ!?何でココにいるの!?」

「カイ、誰この人ぉ?」

「ユキゴメン、めんどくさいから後で話す、今はその取り巻きを相手してろよ」

「いや、助けてよぉ」

俺は渡辺を連れてその場を離れた、当然ユキにその他大勢を任して

「シシキ君久しぶり」

「久しぶり」

「何か楽しそうだね」

「まぁね」

「いつ帰って来るの?」

コイツがいるなら一生帰りたくない

「四日くらいしたら」

もう少しいるけど

「寂しいな」

「あっそう」

「私、シシキ君に会えてすごく嬉しかった」

俺はすごくムカツイた

「そう」

「シシキ君はここで何してるの?」

コイツ、ホントにムカツク、ほっといてくれよ、ユキを置いてきて失敗した

「手伝い」

「そうなんだ、頑張って」

言われるまでもない、ってかコイツに言われると頑張る気を無くすよ

「カイ!何してんだよ?」

救世主!?じゃなくてチカか、でもこの状況ヤバいよな

「カイ、誰それ?」

ほら来た、どう説明すりゃ良いんだよ

「シシキ君の友達です」

「あっそ。カイもう帰るぞ、ユキとマミ姉も待ってるから」

「そうするか、ゴメン、もう帰るから」

「ちょっと待って」

やっぱりな、この女が何も説明しないで納得するわけないよな

「この女の子は誰?」

ほらきた、俺から言わせれば、お前は何様だって話だよ

「親友」

「…そう、バイバイ」

帰ってからチカとユキに渡辺の事を説明した

「カイは良いのか?あんなに綺麗な人」

「うん」

「カイもあんな可愛い子を惚れさせるなんてやるなぁ」

マミ姉がユキの事を睨んでる、またあの目だ

「自分が可愛いって思ってる奴に、まともな奴はいないよ」

「何かアタシには分からないけど、カイがそれで良いなら否定はしないよ」

チカにだけはアイツに会わしたくなかったけど、しょうがないな

「チカ大丈夫だよ、アイツとは何もないから」

「な、何でアタシに言うんだよ?」

「何となく」

チカだけには、変に思われたくなかった、だってどんな女でも、障害になりうるだろ

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