赤の孤独感
その後、ユキにコツなんかを教えて貰いながら、ユキ・チカ・俺の3人でサーフィンんし続けた
「カイ、お前ホントに天才かもな」
「チカとかと一緒だと、いかんせん説得力がないんだよな」
「素材は俺以上かもなぁ」
この二人、以上なくらいに上手い。
チカは女の子の柔かさを使って波を乗ってるから、波を乗りこなすって感じだ。
ユキは正確に似合わず豪快だ、来た波を力でねじ伏せるかんじだ、でもスピードが速いから豪快でもトリッキーに見える
「二人とも同じサーフィンしてるのに、全然違うよな」
「そんなもんだよぉ、カイも何となくスタイルが出てきたし」
「そんなもんなんだ」
「そう。あのさぁ、家に花火が余ってるんだけど、やらない?」
「良いねぇ、明日からはお手伝いだしな」
「ユキもたまには役に立つじゃねぇか」
「ユキ君カッコイイ、でどんな花火なの?」
「手持ちと、噴射、両方共いっぱいあるよ」
「じゃあ両方いっちまえ」
「チカ、別けた方が良いだろ」
「何で?」
「2回できるじゃん」
「私は手持ちが良い」
「マミがそう言うなら手持ちにするかぁ」
マミ姉の力は絶大だな、この中だったら最高権力だよ
「どう思うチカ?」
「ベタ惚れだな」
『ハハハ…』
マミ姉が物凄い眼光で、俺等を睨んできた
「二人共、何?」
『何でも無いです』
怖ぁ、マミ姉の悪魔を久しぶりに見たけど、子供ならトラウマになるぞ
「じゃあ、俺は花火取ってくるよぉ」
「私も行く」
『行ってらっしゃ〜い』
ユキとマミ姉は、二人で花火を取りに行った
「あの二人っていつもああなの?」
「そうだよ、もう慣れたけど」
「チカが可哀想だな」
「何で?」
「いつも一人だったんだろ?」
「あぁ、いつもあんな感じだろ、だから一人に慣れてきたんだよな」
「なら夏休みの間は、俺がいるから寂しくないな」
「馬鹿な事言ってんじゃねぇよ!」
顔を真っ赤にしてるよ、ってか俺も変なこと言ってるし、でもチカが俺を頼りにしてくれるんなら、どんな恥ずかしい事でも言ってやる
「でも時々寂しいんだよな、アタシ一人置き去りにされた感じで」
「いつも3人だったんだろ?」
「そうだよ、だから最近更に孤独を感じる事があるんだよな」
「だから、俺がいるんだろ、夏休みが終わってもメールとか電話で相手してやるよ」
「そんな時がくればな」
コイツ、こんなに強がってるけど、内心ユキとマミ姉がいなくて寂しいはずだ、幼馴染みの三人組なのに、二人だけで先に行って一人だけ置き去り
「ユキとマミ姉は高校は、この島じゃないんだろ?」
「そうだよ」
いくら友達がいるって言っても、チカの事だから泣いたんだろうな、戻って来てもこれだ
「もう俺がいるから泣くなよ」
「泣かねぇよ!」
「どうせユキとマミ姉がいなくなった時、泣いたんだろ?」
「…うるせぇ」
「泣きたくなったら、俺を頼れ、なっ?」
「…分かったよ」
笑って頭を強く撫でた
「よろしい!」
あれ?何かチカがうつ向いちゃった
「ど、どうした」
覗き込むと、チカがうるんでた、ヤベェ俺何かしたか?
「おい、泣くなよ」
「嬉し泣きだよ!俺を頼れって言われたのは、兄貴だけだった、他人に言われたのは始めてだったんだ。だから、ありがとう」
嬉しかった、それにチカが自分が泣いてるのを隠さないでくれた、俺がチカに認められた気がした。
好きな人に認められるって、どんな形でも嬉しいよな