表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/57

青の自信

チカと話をしながら、歩いてるとサーフボードがいっぱい並んだ、家が目の前にある

「もしかしてあれ?」

「そうだよ」

いかにもって感じだな

「ジョニー!!」

また叫んでるよ

「あのさぁ、それ絶対におかしいよな、マミ姉も嫌がってたじゃん」

「あはっ、バレた」

「いや、バレバレだから」

中から金髪の長い髪を後ろでオールバックにして結んだ、いかにもサーファーっぽいおっさんが出てきた

「おう!チカちゃんじゃねぇか!ボード取りに来たのか!?ユキはもう海に出てるぞ!」

声デカっ!しかもかなり豪快な喋り方、ユキとは真逆だ

「そうだよ。カイ、これがジョニー」

「あ、どうもはじめまして、四色海です」

「ジョニー、コイツが東京でアタシを助けてくれた人」

「そうか!お前がチカちゃんを助けてくれたのか!礼を言う!でもチカちゃん!良い男ゲットしたな!」

「変なこと言うなよ、ジョニー!」

ジョニーの勢いについていけない、しかも耳がキンキンする

「カイ!」

「はい!?」

思わずピンッと、背筋を伸ばした、そりゃこの声のボリュームで呼ばれたら、当然でしょ

「チカちゃんを頼んだぞ、あの子あぁ見えて弱いから、誰かが守ってやらねぇと」

肩に腕を掛けて、耳元で小声でチカに聞こえないように、言ってきた

「女を守るのが男の当然の義務ですから」

「ブハッ!気に入った!カイ!お前は最高の男だ!これやるよ!」

耳元で大声張り上げないでくれよ、鼓膜が破けるだろ

「じ、ジョニー!そんな大事なものあげて良いのかよ!?」

ジョニーが持ってきたのは一枚のサーフボードだった、チカは異様に驚いてたけど、俺にはその理由がサッパリ分からない、沢山あるボードの内の一枚だろ

「あれ、何かスゴいの?」

「これはな、儂がハワイの大会で優勝した時の副賞だ!使わないからカイにやる!」

まだそのスゴさの実感が、まったく湧かない

「ふ〜ん」

「ふ〜ん、じゃねぇよ!これは日本人で持ってるのは、ジョニーだけなんだぞ!」

「どういう意味?」

「日本人で、この世界大会で優勝したのはジョニーだけなんだよ、しかも3連覇で前代未聞の大記録まで作ったんだぞ」

……

「はぁ!?いや、そんなもの受け取れないですよ!」

「良いんだよ!あと一枚あるし!一人で何枚もいらないだろ!?それに一目見たときからお前に才能を感じてたんだ!」

「いやでも俺サーフィンやったことないですから」

「ならユキに教えてもらえ!あいつはこの島で儂の次に上手いからな!」

へぇ〜、ユキってすごいんだ、でも島って言っても狭いし、期待しなくてもいいだろ

「じゃあ、お言葉に甘えて…」

「おう!持ってけ持ってけ!」

「あの、一つ聞きたい事があるんですけど」

「何だ!?」

「俺が一枚、ジョニーが一枚、後一枚はどこにあるんですか?」

「ユキの奴が使ってる!」

「へぇ〜、ユキが」

自惚れじゃ無いけど、俺は出来ないスポーツはない、大体最近のスポーツは簡単過ぎてつまんない、サーフィンはやったこと無いけど、波に乗って上に立つだけなら一発でいけるだろ

「ユキは無理だと思うけど、この島で3番目くらいになってくれれば、儂の見る目も確かなんだか!ま、とりあえず頑張れや!」

俺は慣れない手付きでボードを持って、チカと海に向かった。

内心、ジョニーには勝てないけど、ユキには勝てるそういう出処の分からない自信があった、


その自信が砂上の如く崩れ、俺のプライドごと消し去ってしまうとも知らずに……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ