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黒との出会い

「起きろ!」

うるせぇな、朝っぱらから、誰だよキンキン怒鳴りやがって

「起きろ!カイ!」

“ドスッ!”

「うっ!」

腹に鉄拳が…

「早く起きろ」

「く、苦しい…」

チカが怒って俺の顔を覗いてる、ってかコイツはまともに人を起こせないのかよ

「苦しいじゃねぇよ、何時だと思ってんだよ?」

「…8時」

「遅い!サーフィンは朝からだ、これじゃあ遅刻だ!」

「分かったから、朝から騒ぐな、頭に響く」

「早く支度したら行くぞ」

「OK」

にしても、チカ朝からテンション高いな、朝弱いから、俺にはサーフィンは無理だな

「早くしろよ、カイ!」

「分かってるよ!」

ヤベェ、チカのテンションについていけない、そういえば起こされたの久しぶりかもな。

着替えて飯を食ってチカと家を出た

「多分マミ姉は家にいると思うから、そこに寄ってくから」

それはいいんだけど、一つだけ物凄く気になる事が…

「チカ、ボードは?」

「それも今から取りに行くから」

「チカは持ってないの?」

「持ってるけど、ジョニーの所に置いてある、この島のサーファーは大体ジョニーの所に、ボード置いてあるからな」

ジョニー?外国人?

「ジョニーって誰」

「それも紹介してやるよ」

気になる、俺の中でいろいろ想像が膨らんでいくけど、どうも確信まではいかない、また一つ楽しみができた

「ココがマミ姉の家」

「床屋?」

どこの床屋にもあるクルクル回ってるのがあった

「マミ姉は髪切るのが上手なんだよね、アタシもユキも切ってもらってるんだ」

すごいな、チカは前髪を上げてるけどオシャレだし、ユキもオシャレな髪型してたし、才能ってやつかもな

「マミ姉!!」

「うわっ!ビックリした」

チカがいきなり叫び始めた、非常識な奴

「あのさぁ、叫ぶのはかなり迷惑だろ」

「大丈夫、みんなこんなだから」

「ホントに?」

「あぁ」

「なら信じるけど」

でもおかしいよな、叫ぶのは無いだろ。

中から黒くて長い髪の女の人が出てきた

「チカちゃん、叫ぶのはやめて、っていつも言ってるでしょ」

俺は静かにチカを睨んだ、チカは笑って目を反らした

「あら、チカちゃん、お隣の男の人は誰?」

「あっ、どうも、チカの民宿の手伝いで来た、四色海です」

「そんな堅くなら無くても、楽にして良いよ」

「ユキも同じ事言ってた」

「あら、ユキ君にも会ったの?」

「昨日、チカと一緒にいたら会った」

「ふ〜ん」

「な、何よマミ姉」

「カイ君はチカちゃんの王子さまか」

「もぉ!やめてよ」

「照れなくてもいいよ、東京で助けてくれたのも、カイ君でしょ」

この人鋭い、しかも悪魔

「あの、マミさん」

「やだ、マミさん何て、マミ姉で良いよ、っていうか自己紹介してないっけ私?」

「うん」

「ゴメンね。蘭真珠子アララギマミコ、ランって書いて、アララギ、珍しいでしょ」

「始めての出会いかな」

「楽しい事言うのね、」

「いや別に狙ったわけじゃ無いけど」

「あらそう。カイ君は大人っぽいけどいくつ?」

「チカとタメ」

「そう、私はユキ君と同い年、一個上になるのね」

高校生にしては大人っぽい、背も高いしユキと一緒にいたら目を引くだろうな、それに綺麗でお嬢様風で少し悪魔で、男はみんな惚れるよ

「マミ姉はかなりモテるでしょ?」

「そんなでも無いよ」

「マミ姉はユキ一筋だから、他の男に興味ないから」

「あぁ、そういうことか」

「チカちゃん、カイ君…」

目が怖い、笑ってるけど、目で訴えてくる

『ゴメンナイ』

そりゃ謝るよ、あんな目をされたら

「良いのよ謝らなくて、二人には敵わないから」

「変なこと言わないでよ、マミ姉」

悪魔だ、マミ姉には歯向かわない方が身のためかもな

「アタシ達はジョニーの所に行ってくるから、マミ姉は先にいつもの海に行ってて」

「変なこと考えてないわよね?」

「タダ単にボード取りに行くだけだよ」

「そう、じゃあカイ君、チカちゃんの事頼んだわよ」

「頼まれた!」

「カイ、変な事言うな!」

マミ姉に頼まれ無くても、そのつもりです。

マミ姉の家を離れて、二人でジョニーっていう人の所に向かった

「マミ姉って、時々怖いよな」

「カイもそう思う?」

「悪魔だよな、あれは」

「ユキには違うんだよな、ユキにだけは甘いんだよ」

「良いんじゃないの」

「まぁね」

ユキもあんな綺麗な人に惚れられるとは、なかなかやるじゃん

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