白との出会い
辺りがすっかり暗くなって、少ない街灯を頼りに歩いてた。
前からサーフボードを持ったデカイ男が歩いてきた
「おう、チカぁ!」
「ユキ!」
ユキ?女の子?でもこんなデカイ女は嫌だな
「あれ、お隣にいるイケメンさんは誰ぇ、チカの王子さま?」
「チゲェよ!」
かなり独特な喋り方、ヘラヘラしてるけど、軽い感じがしない不思議な奴
「ほら民宿手伝ってくれる奴だよ」
「あぁ!チカを助けてくれた人かぁ、大人っぽいなぁ」「ども、はじめまして。チカとタメの四色海、よろしくな」
「俺は樹々下雪、髪の色が真っ白で雪みたいだからぁ、ユキィ」
確かに真っ白だ、街灯の淡い光でも綺麗な白、それに黒い焼けた肌が更に、短い髪を際立たせてる、それに身長もあるけど、顔立ちもスタイルもモデルみたいだ、ジャニーズですって言っても誰も否定しないような感じだ
「高校一年の16歳、ダメ口で良いよぉ、チカ何て俺にはメチャクチャ口悪いしぃ」
「いらねぇ事言うんじゃねぇよ!」
「ほらねぇ」
「確かに。じゃあお言葉に甘えてタメ口で」
「だから今日チカも海に来なかったんだぁ」
「アタシもって、マミ姉も?」
「うん、一人で淋しかったぁ」
「マミ姉は何で来なかったの?」
「こないだのあれぇ」
「あぁ」
「ねぇ、マミ姉って誰?」
二人で進んでくから思わず、横から入っちゃった
「マミ姉はユキの女」
「違うよぉ、マミは俺とチカの幼馴染み」
「ユキの女か…」
「カイもそんな事を」
「ユキもマミ姉もカイと一緒に民宿手伝ってくれるんだぞ」
「そうなんだ」
「カイはコックさんだっけぇ?」
「そうだよ、ユキとかは何するの?」
「俺とマミとチカは接客兼雑用ぉ」
「同じなのは雑用だけか」
「一緒にがんばろうなぁ」
「あぁ」
ユキといると自然と笑顔になる、本物の笑顔って他の人に移るもんなんだな、こんなユキが惚れたマミ姉って人はどんな人なのかな?
てか他人に興味もつなんて、俺も変わったな
「チカは明日、海に来るの?」
「明日くらいだしな、明後日から仕事が始まるから遊んどかないと。カイも来るだろ?」
「まぁ、暇だし行くよ」
「マジでぇ、じゃあ明日は俺張り切っちゃお」
「頑張れ〜」
「何か適当だなぁ。俺はもう帰るよぉ」
「じゃあ明日、見に行くから」
「おう、期待してろぉ、バイバイ」
『じゃあね』
ユキが帰って行った、後ろから見ると更にデカイ、黙ってれば良い男って、ユキの事だな
「明日はマミ姉連れてくか、カイも見たいだろ」
「でも急に行って、迷惑じゃないの?」
「大丈夫、マミ姉は優しいから」
「まぁチカがそういうなら…」
そういえば、ユキはあの感じだとサーフィンやってるみたいだけど
「チカとマミ姉って人はサーフィンやってるの?」
「アタシはサーフィンやってるけど、マミ姉はしてないよ」
「ふ〜ん」
「何?」
「別に」
チカのサーフィンってのも、楽しいみだな
「チカのサーフィンも楽しみにしてるよ」
「楽しみにしてろ」
明日が楽しみ、チカに会ってからそう思えるようになった、未来に希望が見い出せるって事は、過去を許せたって事かな