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ショートストーリーズ

雪の下の春

作者: Yama
掲載日:2026/01/31

夢を追うことは、ときに孤独で、怖くて、言葉にならないほど不安だ。


けれど、それでもなお「好き」を信じ続ける者だけが、春の訪れに気づくのかもしれない。


この物語は、ひとりの青年が、誰にも見えない場所で抱え続けた夢を、そっと音に乗せて世界に向けて解き放つまでの、小さな軌跡。

比べず、急がず、自分だけのリズムで進んだ先に、確かに光が差していた。

大学を中退した青年・新堂遥斗しんどう はるとは、実家の一室で音楽を作り続けていた。


周囲からは「夢ばかり見ていないで働け」と言われる日々。友人は社会人になり、自分だけが取り残されているような焦燥感に、心が押し潰されそうだった。


「言葉にならない思いが増えるほど、なぜかメロディが浮かぶんだ…」


昼夜逆転の生活。部屋の中だけが、自分の世界だった。


でも、それは逃げじゃなかった。

その孤独な時間が、彼にとって“未来へ向かう静かな助走”だった。


ある日、ネットで見つけたインディーズ音楽フェスの応募要項。

完成したばかりの楽曲「Kagayaku Yume」を、躊躇いながら送信ボタンに指を伸ばした。


それから数週間。

何の音沙汰もないまま、冬が深まっていった。


白い雪が町を覆う日、遥斗は散歩の途中で、凍った地面から小さく芽を出す草花を見つけた。


その瞬間、スマホが震える。


「最終審査に進出が決まりました。あなたの音楽には、人を動かす力があります。」


胸の奥で、音楽がまた鳴り始めた。


「雪の下で、花は準備をしてたんだ」


焦らず、比べず、自分の歩幅で。

遥斗は、ゆっくりと歩き出した。

“夢”は、誰かに認められて初めて現実になると思っていた。


でも、そうじゃない。

たとえ誰にも届かなくても、信じ続けたその時間こそが、もう始まりだった。


遥斗の物語は、きっと誰かの現実でもある。

心の中にある小さな希望が、雪の下で息をしているのだと、気づけたあなたももう、春を迎える準備ができている。

※関連動画になります。良かったらご視聴頂けましたら幸いてせす。

https://youtube.com/shorts/ivUTRiqsZhA?feature=share

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