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学校最強のヤンキーは魔法少女のオレに恋してる。  作者: ゆあ


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6.

「……マリリン……ホンモノだ」

 オレの姿を見た広瀬は、驚きから目を見開き、いきなり立ち上がってオレの方に震えながら近寄って来た。

「……マリリンが……っ!俺の推しが会いに来てくれた!!」

 いきなりオレの足元にしゃがみ込み、うれし泣きする180cm越えのヤンキー。

「ありがとう!ありがとう、ジャストマイエンジェル!」

 いきなり大声で感謝の叫びをあげ、泣き出したヤンキーにオレはどうすることも出来なかった。

「……え?どういう、状況なんだよ、これ……」

 さっきまで何をされるのかわからない恐怖と苛立ちが嘘のように凪ぎ、チベットスナギツネの様な表情で案内されたソファーに座って彼の隣で【まじかる☆プリティエンジェル】のBlu-rayを鑑賞している。


「マリリンが……、マリリンとまじ☆プリを見れる日がくるなんて……夢みたいだ……」

『マリリン☆地球を守って♡』と書かれたうちわを片手に本当に幸せそうな笑みを浮かべるヤンキー。

 いや、気持ちはわかるよ。

 オレもマリリンのこと大好きだし、憧れだから……

 ってか、この地区最強のヤンキーって言われてる広瀬が、まじ☆プリオタクなんて誰が想像できるよ……


「な、えっと、広瀬……くんは、いつからファンなの?」

 ついコスプレをしているせいかキャラになりきってマリリンっぽくしゃべってしまった。

「……マリリンが現実に存在してる。やっぱり、俺のマリリンだったんだ……」

 涙を流しながら感動してるところ申し訳ないけど、ちょっとキモイ……

「ウミちゃんのことは、SNSでマリリンのコスプレしてる人を検索しまくっていた時に偶然見つけたんだ。俺の理想そのもののマリリンが現実世界にいるってわかった時は嬉しかったなぁ~」

 広瀬が自分のスマホを眺めながらうっとりと話しているけど、ソレ、オレがSNSに上げている画像じゃね?何勝手に保存してんだよ。

「昨日もウミがあっこのイベントに参加する。って書いてたから、もしかしたら生マリリンと一緒に写真撮れるかもって行ってみた。リアルで見たらマジで可愛くてつい腕掴んじまって悪かったな……」

 申し訳なさそうに眉を下げて謝ってくる広瀬に開いた口がふさがらない。

「ホント、ウミのマリリンは完璧だった。完全にマリリンだった」

 オレの頬をそっと撫でながら、しみじみと言ってくる広瀬に鳥肌が止まらない。

 文句を言おうとした瞬間、パッと手が離れ目の前でパチンと手が合わさって謝られる。

「あ、わりぃ……俺がマリリンを好きになったのは、俺の……」

「「「ただいまぁ~!」」」


 広瀬が何かを言おうとした瞬間、玄関の方から元気な声が複数聞こえると同時に、バタバタと賑やかな足音と楽しそうな声が聞こえて来た。

「腹へった~!」

「おやつおやつ」

「バナナはおやつに含まれません!」

 勢いよくリビングの扉が開けられたせいでバタンッと大きな音が響き渡ると同時に同じ顔をした男の子たちがなだれ込んできた。


「あ!ゆうにぃが女の子連れこんでる!」

「ゆうにぃ!彼女なんていないって言ってたのに!」

「ゆうにぃ!顔こわいからおどしたんじゃねーの」

 明るい茶色の髪をした広瀬そっくりの小学3年生くらいの男の子が3人が好き勝手に話しかけてくる。

「ちび共うるせぇ!」

 広瀬が眉間に皺を寄せながら怒鳴るも、キャッキャッと楽し気に笑うだけで気にした様子は一切ない。

「イチャつくなら部屋いけよ~」

「オレらが帰って来るの忘れんなよ~」

「彼女さん、ゆうにぃをよろしくお願いします」


 勢いよく話してくる少年たちにオレはポカーンとしてしまい、思考が追い付かない。

 そんな3人の後ろから隠れるようにちょろちょろと出て来た黒髪を肩よりちょっと下まで伸ばした、小さな女の子。

 女の子と目がバチッと合った瞬間、驚いた表情を浮かべると同時にぱぁーっと明るい笑顔を浮かべ、誰よりも大きな声を出した。

「マリリンだ!」

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