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学校最強のヤンキーは魔法少女のオレに恋してる。  作者: ゆあ


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14/15

13.

 翌朝、オレは1ヶ月ぶりのコスプレイベントにいつも通りひとりで参加していた。

 朝起きた時は、酷い顔過ぎて行くのを躊躇ってしまったけど、気分転換をするならイベントに行くのが一番だと思って……

「ウミちゃん久しぶりだね~。どうしたの?あ、後半はマリリンの通常服だっけ?楽しみにしてたんだよね~。ボクがマリリンの通常服好きだから頑張ってくれたのかな?今日はイベントの後に個撮でもする?ウミちゃんのマリリンを隅から隅まで、余すところなく撮ってあげるよぉ~」

 この気持ち悪いカメコと会ってしまうのも1ヶ月ぶりだ……

 なんか、バージョンアップしてる気がして、気持ち悪さに拍車がかかってる気がする……


「それとも、今からホテルで撮影しちゃう?明るいうちから撮る方が、ウミちゃんの大切なところもちゃんと見えそうだもんね」

 耳元で囁かれる変態的な言葉も、生温い吐息が首にかかるのも、掴まれた腕も……

 全部が全部、気持ち悪すぎて鳥肌が立つ。

「ッ!?ヤ、やめっ……スタッフ、呼びますよ」

 キッと変態カメコを睨み付けるも、身をよじりながら嬉しそうにニヤニヤ微笑まれるだけで、話を全く聞いていない。

「ウミちゃんは恥ずかしがり屋だなぁ~。まぁ、ボクはウミちゃんの専属カメラマンだし?恋人だからね♪可愛い彼女を大切にするのは当然でしょ♪」

 誰がお前なんかの恋人だ!専属のカメラマンなんてなって貰ったことなんてない!

 ってか、名前もハンドルネームも知らない相手なのに、ベタベタしてくんなっ!

 言いたいことはいっぱいある。

 でも、ここは一般の人もたくさんいるイベントだ。

 子どもたちだっている。

 それなのに、マリリンの格好で男である地声を出すことについ抵抗感を覚えてしまう。

「ウミちゃん、照れてるの?可愛いなぁ~。ほら、早く撮影しに行こう」

 勝手に人の予定を決め、恋人のように肩を抱き寄せられた瞬間気持ち悪くて吐き気がした。

 叫びたいのに声が出なくて、突き放したいのに震えて腕に力も入らない。

「あり?ウミちゃんどうしたのかな~?気分でも悪くなった?イベントは今日は止めて、ボクとホテルでお休みしよっか」

 嫌なのに手を振りほどくことすら出来ず、その場でしゃがみ込んでしまう。

 助けて欲しいのに、オレのことなんて誰も助けてくれない……

「ウミちゃん大丈夫?あ、ボクが触ったから感じちゃった?えっちな子だねウミちゃんは~。じゃあ、早くホテルにでも行こうか」

 オレの意思なんて全く確認するつもりもなく、腕を引いて立たせようとしてくる変態カメコ。

 オレにできる抵抗は、ただこのまましゃがみ込んで動かないことだけで精一杯だった。


「……ゆぅ、だい……たす、け……」

 ギュッと目を瞑って、脳裏に浮かんだ広瀬の名前を口にする。

 今日は、みきちゃんの誕生日だから、広瀬がココに居ることなんてないのに……

 でも、助けて欲しいのは……そばにいて欲しいのは……

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