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エピソード
君を見てると思い出す。
その涼し気で花のような声、麦畑が似合うその笑顔。水が滴り落ちる、ホワイトベージュの髪も。俺の頬や胸に触れる、白く細い指先も。
その全てを俺だけに見せていた日々――。
何をしたって思い出してしまうんだ。
守れなかった。守りたいと誓って重ね合った君はもう居ない。
――あの時、あの瞬間。気づくことが出来たならば。何か、変わっていただろうか。俺が心を閉ざしてさえなければ……殺さずにすんだのだろうか?
——俺が殺した。ただ君に愛を囁やき一緒に幸福を魅せたかったはずなのに。
君はもう居ないけど、ここにいる君は存在する。
今度こそ俺が――君を守りたい。
どんな手段を使ってでも俺は。
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