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愛する人は運命の番と出会ってしまったけど私は諦めきれないので足掻いてみようと思います。  作者: 紫水晶猫


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白い光の柱


あまりのことに頭の中が真っ白になってしまった。


「おや。」


カルマン先生が面白そうな顔をしたが、私はそれどころでは無かった。


なにが起こったの? こんなことってある?

クラスのざわめきもソルジュに匹敵するほど大きい。ソルジュと同じくらい注目を集めてしまったみたいだ。


茫然自失で、ふらふらと自分の席に戻ると、


「ティアーナも三属性ってすごいね。しかも白って私は初めて見た。」


ソルジュが楽しそうに言う。


ひぇ。

初めてって……結構いる光属性よりヤバいのでは?

ホワイトナイト様! どういうことですか? 光と水と風って言っていたのに。白って……白って……何? そして、白って何属性なの?


私の後も次々と判定が進んで……。


「最後、マティス・カスティーユさん。」


カルマン先生がこれが最後の一人だと宣言する。


帰ったらホワイトナイト様に問いたださなければと思いながら、何とはなしに教卓の方へ目を向けた。


ひときわ大きなざわめきがおきた。


えっ?


眩い溢れんばかりの金色の光の柱が大きく天井を突き抜けるように立っていた。


これって……。

私は息をのんだ。


「彼は次代の大司教候補といわれている人だよ。」


ソルジュが囁く。


そんな人がいるの? この人の光属性……聖女並みなんじゃないの? てか、この人が聖女でよくない?

自分でも訳のわからない思考で頭がいっぱいになる。

あれ? これだけの光属性なら怪我も病気も何でも治せるんじゃない? ……そういえば、フィオラ・ロベールさんも彼くらい強い光属性なのかな? ソルジュが大聖女候補序列一位って言っていたけれど。


ソルジュにコソッと聞いてみる。


「うーん。どうかな? あくまでも他の聖女候補より光属性が強いというだけだからね。魔力量は……ティアーナの方があるんじゃない? 」


「んえ? 魔力量? どうしてわかるの? 」


「魔力属性判定の時の光の大きさである程度わかるんだ。それに、私の特技なんだけど、魔力が見えるんだよね。」


へつ? 魔力が見えるってどういう?


「例えば……(コソッ)。」


『……ティアーナの属性が一つ今朝から無くなっているとかね。』


うわあああ!

ソ、ソルジュ! 何て特技持っているの!

さっきも思ったけれど……ソルジュ! 貴方……何者なの?


目玉を落としそうなほど大きく見開いた私に、ソルジュはニッコリ微笑んだ。

微笑みが……何だか得たいが知れないものに見えてくる。だけど、可愛い顔のせいで何ていうか不思議と霧散されてしまった。


「大丈夫。誰にも話さないよ。」


「ソルジュ、魔力が見えると属性の数とか種類もわかるの? さっき白は初めて見たって言っていたでしょう? 」


属性の数だけじゃなくて種類も分かるのなら……私の消えている属性が光だとバレていることになるのだけれど……。しっかり確認しておきたい。


「うーん。種類は確実ではないかな。漠然として見えるから色がはっきりしないんだ。だから三つ目の属性が白っていうのは本当に驚いたんだ。」


それじゃあ、光属性を持っているのはバレていなかったのね。

……良かったあ。


私はホッと胸を撫で下ろした。


ソルジュは良い人だけど、聖王国の人だから神殿は多分暮らしの中に息づいてて関わりが深いと思うのよ。それに貴族の家名を良く知っているし、各国の情勢にも明るいみたいだし、なによりヴィオラス王国周辺諸国交流パーティーのことも知っていたし。だから、ソルジュは多分かなり高位の貴族なのだと思う。ソルジュが話してくれるまで聞かないけどね。折角できた普通に話せる友達だし、この学園では身分は関係ないしね。だけど、聖王国の高位貴族かもしれないソルジュが私に光属性があると知ったら……彼がどうするかわからない。なにしろソルジュの国は大神殿で聖女を集めて修行させ大聖女を産み出している国だ。それだけ聖女につよい執着を持っている国だといえる。しかも王様は大聖女と結婚することが決まっているとか怖すぎるよね。


「明日から魔法実技の授業が始まります。」


カルマン先生は、教卓の魔道具を片付けると話し始めた。


「今日の魔力属性判定の結果を踏まえてクラス分けをします。明日、黒板に貼っておきますので各自確認するようにしてください。」


クラス分け?


キョトンとしてしまった私にソルジュが捕捉してくれる。


「ある程度同じ属性で振り分けるんだ。例年通りだと学園単位でクラス分けになるから、全学年混合クラスになるはずだよ。」


ソルジュって本当に気遣いのできる人だよね。大抵私が聞く前に教えてくれる。それに、例年通りならって……一年生なのにどうして知っているの? ソルジュの情報量ってどうなっているの?

それにしても……。


「全学年? 上級生と同じクラスになるの?」


「そうだよ。上級生とペアを組んで下級生は教えてもらうんだ。それが効率いいみたい。」


えええ?

ちょっとだけ不安が頭を掠める。


嫌な予感がするのは気のせいよね?

読んでくださりありがとうございます(*´▽`)


いいね、ブックマーク、評価をありがとうございます。とても励みになります。


執筆が遅めではありますが皆さまが楽しんでくださるよう頑張ります。

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