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愛する人は運命の番と出会ってしまったけど私は諦めきれないので足掻いてみようと思います。  作者: 紫水晶猫


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学園に通うことにしました


ヴィオラス王立ミカエリス学園は世界でも突出して名高い学園だといわれている。そこでは魔法や剣術、マナー、領地経営論など多岐にわたる高度な教育がなされ優秀な人材が育成排出されている。

また、この学園の卒業が貴族社会でのステータスにもなっているのだ。そのため、各国の貴族は勿論のこと王族も留学しており学園の中は驚くほど国際色が豊からしい。


『そこならば、獣人国の方々とも自然な交流ができると思いますよ。貴女は強運ですね。聞いたところによりますと、現在、エンデ王国の第一王子も留学されているらしいです。』


と、クラウスが教えてくれた。


獣人の国であるエンデ王国。その国の王子様ならば自国のエキスパートだ。獣人のことについて教えて貰えるかもしれない。『運命の番』についても。

それには、親しくなる必要があるよね。

王子様でなくても、きっと側近やエンデの貴族とかも留学しているかもしれない。そちらから情報が得られるかも。

学園に通って獣人のお友達をつくろう。まずはそこから始めよう。


それで私は、クラウスに二つ返事で、提案を受け入れたのだった。


朝食から部屋に戻った私はソファに座ってこれからのことを考えていた。


お父様も隣国に留学をと言っていたし、学園に入ることを許してくれると思う。


ただね……


『学園の入学時には試験があるのですが、貴女の場合は中途入学となりますので、特例試験を受けてもらうことになります。お妃教育をほぼ完了されている貴女は捕捉程度の学習で良いかとは思いますが、家庭教師をつけますので二週間で足りない知識を詰め込んでください。』


と、クラウスが付け足して言ったときには少し尻込みしちゃったのよね。

私、ちゃんと試験に合格できるの?

きっと試験って難しいよね。


「お嬢様、お茶をどうぞ。」


むむむと私が眉間に皺を寄せていたらサリナがお茶を入れてくれた。

お茶を一口飲んでため息をつく。


まあ、頑張るしかないよね。


「ピィィィィイイイ!」


その時、大きく鳥の鳴く声がした。

声のした方を見ると、バルコニーから瑠璃色の鳥が黄色い長い尾をたなびかせながら入って来るところだった。そして、真っ直ぐ私の方へ飛んできて頭上を旋回し始める。お父様に送った伝書ルリ鳥だった。足に手紙が結わえられているのが見える。


「おいで~」


手を伸ばすと、パサパサと手の甲に舞い降りてとまった。


「ニャア!」


え!


すかさず猫ちゃんが飛びかかってきた。


「駄目よ! 猫ちゃん! 」


慌てて猫ちゃんを避ける。


「ニャオ、ニャオ! ニャア! 」


面白いオモチャを見つけたようにピョンピョン飛んで肉球を振り回して来る。

可愛い! ものすごく可愛いけど、ルリ鳥は駄目よ!

困ってしまってあたふたしていると、ポン!と猫ちゃんは、光る膜のようなものに閉じ込められて空中に浮かび上がった。猫ちゃんは驚いたのか中でジタバタしている。


「全く、もといた場所に返してきた方がいいのではないですか?」


いつの間にかやって来ていたホワイトナイト様が言った。

どうやら魔法を使ってくれたみたいだ。


「あれを甘やかすと増長しますよ。」


ホワイトナイト様が猫ちゃんを抑えている間に私はさっとルリ鳥から手紙を外した。

役目を終えたルリ鳥はすぐに飛び立った。


そして、手紙を開いて見てみると、


『無事にアレクセイと合流できたようで、安心した。アレクセイ・ホワイトナイトはヴィオラス王国黒翼騎士団特務隊長という肩書きを持ち、私が厚く信を置く者だ。彼は我が国で最も強いからティアを必ず守ってくれるだろう。とはいえ、くれぐれも無茶はしないように。』


と書いてあった。


目玉が飛び出るかと思った。

ここへ来る時、馬車を守っていたのが黒翼騎士団で驚いたけれど、そう言えば、ホワイトナイト様が特務隊ですよと教えてくれて、指示出しも何となくしていたような気もしたけれど……まさかの隊長さん?

え、ということは偉い人?

でもでもでも、かなり変わっている人だよ?


解せぬ思いに手紙とにらめっこをしていたら、横からホワイトナイト様に取り上げられてしまった。

そして、サラリと目を通すと、つまらなそうに魔法で燃やした。


「大したことは書いてありませんね。まあ、そういうことですので、安心して私に守られてください。」


ホワイトナイト様はそういうと指をパチン!と鳴らして猫ちゃんを解放した。


すごく雑だ。


猫ちゃんは空中で拘束を解かれたものだから落っこちてきて、私は慌ててそれを受け止めた。

猫ちゃんは私の身体にしがみつく。

さすがの猫ちゃんでもあんなに高い所から床に落ちたら急すぎて受け身がとれなかったかもしれない。


「ホワイトナイト様、猫ちゃんにもう少し優しくしてください。」


ジト目でホワイトナイト様に文句を言うと、信じがたいといった様子でやれやれと首をふった。


「悪ふざけしたあれがわるいでしょう?

それより、学園に通うそうですね。私も卒業生ですので家庭教師には私が適任です。お任せください。勿論、既に公爵様には進言し許可はとってあります。」


ええええええ!


ホワイトナイト様から教えてもらうの?


読んでくださりありがとうございますm(_ _)m

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