2.まほうのせかい(1)
今回、もともとあった区切りにしたがって区切ったら、めちゃくちゃ短くなりました。
......その2も続けて投稿しますね......さすがに短すぎるので......。
ちなみに、見直しがすごくやりやすかったので、このシリーズにおいては、短く区切って投稿するかもしれません。ただ、長めの方が良いという意見があれば、その次から変更しますね。
今度こそ目覚めると、白い石でできた天井が見えた。
「知らない天井だ」
私は一度、目を閉じる。そして、さっきの夢を反芻した。
もう一度、目を開く。
「やっぱ、あの夢は正しかったのかなあ......」
むくっと起き上がる。
私はまるで病室のような部屋の少し(いや、だいぶ)固いベッドで寝かされていた。
右手にドア、左手に大きめの開けられないタイプの窓。
私は誰もいないことをいいことにベッドからずり落ちて、横にきっちりと揃えて置いてくれていたローファーを履き、窓に張り付いた。
「わぁ~!」
そこに広がっていたのは、いろいろな高さの塔、広い道、そして街路樹だった。
でも、なんか、街中というよりも王宮みたい。
マンガとかでしか見たことないけど、こんな感じそう。
ここが魔法の世界の国だったとして、この国が王政かは知らないけど。
「でも、旅空じゃあ、日本じゃあないのは確かだ......」
ここが時たまドラマやCMで観る、ヨーロッパの街並みを再現したテーマパークじゃあない限り、ね。
その可能性は著しく低いだろうけど。
「さて、出口はあっちかな......」
なんとなく長時間いては危ないように思われ、私は窓から離れて反対側のドアの方へと向かう。
ドアノブを掴んで回し、こちら側の方向へと引く。
「あれ?」
びくともしなかった。
「んんんん......」
ひょっとして、逆?
「えいっ」
ぐっと押す。
すると今度は力が強すぎたためか、勢いよく開いた。
それは、勢い余って、前のめりにこけそうになるほどに。
「うにゃあ!」
こける!
私の体は勢いよく床に叩きつけ......られなかった。
「あっぶない!」
誰かが受け止めてくれたからだ。
「うにゃあ......」
ハッカの香りが鼻をくすぐる。
「大丈夫?」
「はい、なんとか......」
私は身を起こし、若干の気まずさを抱えつつ、その人からそっと離れた。
顔を見て、思わず息を呑む。
うわぁ、かっこいい......!
夢の(自称)精霊も顔は良かったが――こほん、失礼――、あれは、どちらかというと、人間離れした『美しい』がぴったりだった。
この人は、それに比べて良い意味で人間味がある。
バレンタインでチョコいっぱいもらってそう、あと、たぶん女装似合うと思う。
「どうかした?」
「いえ、なんでも......」
貴方の顔を見て失礼なことを考えてました、とは言えない。
私は苦笑いを浮かべて、両手をぶんぶん振ったのだった。
やっと、もう一人の主人公が、ちゃんと登場しました。今後は、彼視点からも、物語が進んでいきます。
もう少し先の話ですが。
さて、(同時投稿できているはずの)次の話へ続きます。それでは、どうぞ!