本当の話ならどうやって聞いたんだ、それ
※アドバイスを頂き、あとがきにオチ成分を追加。
ベッタベタでコッテコテな怪談。
ベッタベタでコッテコテな本当の話と言う伝聞タイプ。
って印象のままで終わりたいなら、後書きを見るのはお止めください。
ねえ知ってる?
これは親戚のお姉さんから聞いた本当の話なんだけどね?
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ある日、ある学校のあるクラスで、放課後にみんなで集まって、誰が一番かくれんぼが上手か決めようってなったんだって。
それでね?
そのかくれんぼに使った場所は、殺人事件があって潰れた工場だったんだって。
そのクラスのガキ大将みたいな子が見つけて、時々ひみつ基地とか言って遊んでた場所。
そこに霊感の強い子が入った時に「急いで出よ? ここに居たくないよ」とかって言ってたけど、言ってるのは一人だけだったし、そのままかくれんぼは始まったんだって。
それでね?
かくれんぼはとっても盛り上がって、誰が一番上手か決まらないまま時間がきちゃって、終わりになったの。
でもまだ遊び足りないガキ大将ともう一人は、もうちょっとかくれんぼして遊んでくって残った時に起こったの。
何が起きたか?
これから話すから聞いててね?
オニの子が数をかぞえて「もーいーかい」って言うの。
でもね、なんとなく意地悪したくなって、ずっと「まーだだよー」って言い続ける子が居てね?
そんな意地悪されたら、怒るでしょ?
うん。
もちろんオニの子もそうで「ねえ、もーいーでしょー?」って怒り始めちゃって。
でもね?
意地悪してる子はその怒るのも面白くて、もっと意地悪で「まーだだよー」って言うんだよ。
…………そしたらね?
どんどんオニの子の声が怖くなってって、気の弱い子なら泣いちゃう位に怖いことを言う様になってね?
その意地悪してた子にだんだん近付いて聞こえてくるんだよ。
それでも意地悪な子は言い続けて、最後はどうなったと思う?
――――もうガマン出来ねえ。 もう良いよな? 一生帰れない所に連れてってやるよ。 良い所だぜ?
そう聞こえて、意地悪してた子が居なくなっちゃったんだって。
それからずっと、その意地悪な子は家にも帰らなくて、行方不明なんだって。
怖いよねぇ。
…………え? そのオニ役だったガキ大将はどうしたって?
それがね?
そもそもの話、誰がオニだったのか知らないんだって。
後でそのガキ大将に尋ねてみたんだけど、隠れる方をやってて、オニ役なんてしてないって。
うん。 かくれんぼは3人でやってたみたい。
ガキ大将はもっと離れた所に隠れてて、なんにも知らないし見てないって。
隠れていても見つかる感じも、もっと言えば人が近くにくる感じもなくて、つまらなくなって一人で家へ帰っちゃった~って。
帰るときに一応「帰るからな~」って大声で言ってから帰ったそうだけど、誰も返事をくれなかったそうだよ。
だから、その3人目が誰か、全然分からないから確かめられない。
だから、そこで何があったか誰も知らないってさ。
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誰も知りようがないのに、なんで行方不明の子の行動を語れたんですかねぇ(口許ヒクヒク)
この手の話って結構、構成がガバガバなんですよね。
居なくなった、帰ってこなかったと言うけど、なんで確定してるの? とか。
連れていかれた先は大抵あの世とか語られるけど、あの世へ行ったのをどうやって知ったんだよ? とか。
途中までは三人称進行だったのに、急に被害者?の視点になったり。
被害者?の視点のまま進行してたのに、いきなり三人称とか別の人視点に切り替わったり。
特定の人物じゃないと知り得ない情報を、違う人物視点だったのに混ぜ込んだり。
判断材料が抜けていたり。
ほら、霊感がある子がここやべーと言っても、それが本当だったのか分からないまま終わったり。
そもそも霊感のある子を差し置いて、関係ない子が見えないものを見ちゃったり。
ほら、今回のもそう。
霊感の強い子がヤベーと言ったけど、ナニに連れていくと言われたのか確定情報を言ってないのです。
ヤベーとは言った。 でも本当にヤベーとは決まってない。
廃工場に寝泊まりしてる、アレな人だったのかもしれない。
ガキ大将がヤベー人に命令されて、この工場までみんなを連れてきて、その中の一人選ばれたのが連れていかれたのかも知れない。
偶然そこでナニかシてた人に、オトナな世界へ連れていかれたのかも知れない。
だから、もう(コドモの世界に)帰ってこられなかったとか。
…………犯罪臭しかしないけど、声の主はオカルトかも知れない。
と言うより、オニ役の子の「もーいーかい」はどこへ行ったとかもありますよね。
……もしやそのオニ役の子が実はオカルト系の存在だったとか!?
ってのを、あとがきにオチ成分を追加した結果、一番可能性が濃厚な雰囲気にしてみましたが。
うむ。 こうやって変な部分を見つけて、そこにツッコみを入れつつ、考察して怖がるのは面白いですね。
なお、学校の学活とかで時間つぶしの内容が怪談だと決まったら、全力で耳を塞いで目を瞑り顔を伏せて、見ざる聞かざるしていた作者が居た模様。