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第2話 冒険者ギルドへ

 僕は勇者パーティーから離脱して近くにある、アミールの町に行った。


 到着して早々勢いで離脱した事を後悔していた。


 金がない、職がない。

 どうやって生きていこうか……


 ふと、僕の目に粗雑な鎧を来た男が映る。

 あれは……冒険者か。


 そうだ、こういう時は冒険者ギルドに行けばいいか。

 冒険者ギルドでは、魔物退治や素材集めなどの依頼を受けて、お金を稼ぐ事が出来る。


 僕も勇者パーティーに入る前は、冒険者として生きていた。


 とりあえず冒険者として、生きて名を上げる事でスティングを見返すことを目標に生きよう。


 この町の冒険者ギルドは確かこの道を真っ直ぐ歩いて、右に行ったところにあったな。


 数分で行ける場所にあったはず。


 僕は冒険者ギルドに向かって歩き出す。


 しばらく歩いて到着。

 扉を開けて中に入る。


 冒険者ギルド一階には、掲示板がありそれに依頼紙が色々貼ってある。


 そのほか酒場になっており、ろくでなしな冒険者は昼から働きもせず酒に興じていた。


 奥のほうに受付がある。

 あそこに依頼を持っていけば、受けることが出来る。


 僕は昔冒険者登録をしているので、たぶんもう一度する必要は無いと思う。


 掲示板の前に行き、依頼紙を眺める。

 ゴブリン退治、スライム退治、狼退治、この辺は1人でも楽にこなせる任務だ。


 パーティーが見つかるまでは、そういうソロでも出来る仕事しよう。


「あんた、ソロならアタシとパーティーを組みなさい!」


 掲示板を眺めていると、いきなり背後からいきなり大きな女性の声が聞こえた。

 驚いて声が聞こえた方を確認してみる。


 腰に左手腰に当て仁王立ちしている魔法使い女性が、僕を見つめていた。

 少し釣り目だが大きく綺麗な瞳をしている。

 肌は白く、輪郭は整っている。

 美少女と言って差し支えのない顔だと思った。

 右手には木製の杖を持っており、服装は紺の魔女帽子とローブを身につけている。

 どう見ても魔法使いだという格好だった。


 え? 今のもしかして僕に言ってきたの?

 どう見ても僕のほう見てきてるけど。

 でも、普通いきなり知らない人に、そんな事頼むかな?

 まあ、腰に手を組んで仁王立ちしながら、こっちを見てくる人は普通じゃないような気はするけど。


「そこのあんたよあんた! たぶんソロの神官なんでしょ! だったらアタシとパーティーを組むべきよ!」


 ビシッと僕を指差しながら言ってきた。

 さすがに僕に向かって言ってきているのだと確信した。


 正直こんな妙な人と、パーティーになりたくはないんだが……


 でも、断るとうるさそうというか……

 話くらいは聞いた方がいいかもしれない。


「はい、僕はソロですが……」

「やっぱりそうね。アタシもソロなの。丁度いいし、一緒に組みましょう」

「ま、待ってください。えーと、僕、しばらくソロでやるつもりで……」

「何でよ! パーティーを組まないと、大したことない依頼しか受けられないわよ! 絶対組んだ方がいいに決まっているわ! 組むの決定ね!」


 な、なんて強引な人なんだ。

 あなたに問題があるから組みたくないと言えればいいんだけど。


 なかなかそう直球で言えないしなぁ


 まあ、確かに一人より、複数のいいのは事実だから、パーティーが組めるのは悪いことじゃないんだけど。


「よし、この依頼にしましょう!」

「ちょ、待った待った!」


 勝手に依頼を受けようとしているので止める。


「そうね、自己紹介がまだだったわね。私はファミー・クリスティーよ、見ての通り魔法使いよ。あなたは?」

「ぼ、僕はトリフ・ブラスターという神官です……いやそうじゃなくてですね。やっぱいきなり会ってそこでパーティーってのはですね……ちょっとどうかと思うんですよ」

「何がよ。最初はどのパーティーでもいきなり組むものよ」

「そ、そうですがね……」

「じゃあ、問題ないわね」


 うう……

 直球でいうしかないのか?


「いや、あのですね……僕はあなたみたいな……」

「アタシみたいな?」


 非常識な人とは組みたくない……

 と言いたいが……


 ファミーさんが僕の目を一直線に見つめてきて、言い出せない。


 ぐ……


「あなたみたいな、強そうな人と組むのは力不足で……」

「大丈夫よー。あんたが初心者でも、ちゃんと教えてあげるから♪」


 ううー。

 もういいか諦めよう。

 変な人ではあるけど、悪い人ではないかもしれない。


「よーし、じゃあ、Cランクの依頼、ベルミアン洞窟攻略を受けるわよー」


 そう言って、ファミーは受付に依頼を持って行った。

 そして、依頼を受けてきて、


「よろしくね、トリフ」


 と微笑んできた。


「よ、よろしく」


 そう返答した後、僕は大きなため息をついた。


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