一章 混沌 1
ここはD地区この世界は太古に起きた戦争により文明が崩壊し、そこからまた新たな文明がうまれた。その中でもD地区はあまり文明が発達せず生い茂る木々と木材を基調とした日本家屋のような建物が連なる自然豊かな地区だ秋にもなると山は赤く染まり観光地としても人気が高い。そんな地区の山奥の屋敷にて。
???「ししょー!起きてください!!ししょー!!」
??「待ってあと少しだけ…」
???「いいえ!もう待てません!!…トウ!!」
??「グェ!」
兼静華は目を覚ます、寝転がっていた敷き布団を引っ張られ、転がりながら畳の上に叩きつけられた。静華は寝ぼけながら自分を起こした犯人に対して声を発した。
静華「何よ梅子、もう少し優しく起こしてくれてもいいじゃない…」
梅子「いつまでもねてるからです!」
彼女の名前は及川梅子一年前とある組織の取引を見てしまい、襲われていたところを静華に助けられた。正確には静華の依頼された標的がたまたま梅子を襲っていただけで、別に静華は梅子を助けたわけではないの。しかしこれがどういうことか梅子の目には正義のヒーローのように映ったらしい。以降、梅子の猛烈なアタックの末に静華が折れる形で師弟関係を結んだ。
梅子「今何時だとおもってるんですか!」
静華「?、9時ぐらい?」
梅子「13時です!」
静華「驚いたわ。」
梅子「『驚いたわ。』じゃありません!朝の7時には剣の稽古をつけてくれるって言ったじゃないですか!しかもなんですか?『9時ぐらい?』って!もう7時までに起きる気すらないじゃないですか!!」
梅子が怒るのも無理はない静華が約束をすっぽかすのはこれが一度目ではないほぼ毎日これなのだ。これに対し静華はふと思い出したように話し始めた。
静華「…梅子、一ついい忘れたことがあるわ。」
梅子「?、何ですか、今日と言う今日は言い訳は許しませんよ!」
静華は野原に咲く花のような美しいな笑顔で答えた。
静華「おはよう!」
梅子「…(絶句)」
梅子はあきれて声も出なかった。
梅子「はぁ…もういいです、早くご飯食べちゃってください。そしたら稽古つけてくださいね。」
静華「勝ったわ。」
余りにも呆れすぎて梅子にはもう怒る気力はなかった。
1時間後、昼御飯を済ませた梅子と朝御飯を済ませた静華は稽古のために庭へ出た。兼家は代々、兼流戦生術によりこの地区の厄介事を解決してきた、故にこの地区から膨大な敷地を渡された。その園は庭園かと見間違うほどにみごとな景観をほこる。先程まで呆れていた梅子だがようやく稽古をつけてもらえるとなると上機嫌になった。12才の年相応の表情で静華に尋ねる。
梅子「今日は何するんですかししょー!」
静華「なにって、いつも通り基礎訓練だけど?」
梅子「えぇ~、もっと派手なことしたいです梅子。」
静華「なによ、基礎って一番大事なのよ。それに派手なことって何よ。」
梅子「こう、シュパ!ズバ!ドカーン!みたいな。」
静華「どうやったら剣で切って相手が爆発するのよ。」
梅子「それ、ししょーが言います?」
静華「確かに。」
と、その時だった。誰かが屋敷の門を三回叩いた。この門を三回叩く時、用はひとつしかない。
静華「依頼ね」
梅子「依頼ですね。」
どうも、初めまして作者のMです。第一話お読みいただきありがとうございます。っていってもまだ途中なのでなんとも言えませんがこれからもご覧いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。