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1イニングのエース  作者: 冬野俊
シーズン開幕
99/171

意表

三番の山南が打席に立った時、球場には「相沢」コールがわき起こっていた。それもファンはスラッガーズの方が多いにも関わらず、である。


高校野球でもしばしば球場の雰囲気で、試合の流れが変わる事はある。ただ、各チームのファンがほぼ固定であるプロ野球では起こりにくい。


それが実際に起きている。確かにスラッガーズを応援するトランペットや応援歌は鳴り響いているのだが、それにも負けないほどの音響だった。



一方、当人であるマウンド上の相沢は涼しい顔で投球の準備を始めていた。


山南も集中して打席へと入る。


沖田、土方とあえなく凡退をしたが、言ってみれば山南もこれが初対決である。打者にとって不利な状況ということに変わりはない。


だからと言って山南にもプライドはある。ドラフト8位の新人に大きい顔をされては堪らないという思いもあった。


自然とバットを握る手に力がこもっていた。


捕手のサインに頷く相沢。


大きく振りかぶり、足を高らかと上げた。俗に言うマサカリ投法である。


そこからダイナミックなフォームでボールをリリース、したのだが山南はその瞬間に呆気にとられたのである。


ボールは相沢の手を離れた後、大きく山なりに上昇し、ゆっくりと弧を描いて捕手のミットへと向かった。そう「超スローボール」である。


山南はバットを振らずにそのボールを見送ったが、主審は「ストライクッ!」と高らかに告げた。


相沢の超スローボールはきちんとストライクゾーンを掠めていたのである。


ここまでも打者の意表を突いてきた相沢だったが、またもその試みは成功したのだった。


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