表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1イニングのエース  作者: 冬野俊
シーズン開幕
97/171

心理戦 4

先ほどのナックルならば、決め球として使ったとしても十分に通用するボールだ。ならば何故、二球目だったのか。


土方は一旦、ネクストバッターズサークルに戻り、バットに滑り止めスプレーをかける。


一球目の後には「来た球を打てば良い」と決めたはずの土方。だが二球目を見て直ぐに、いつの間にか思考を乱されてしまっていた。



相沢はそんな土方の動揺をよそに、次のボールを投げ込もうとマウンドのプレートを踏む。



「二球目にナックルということは、さらに良い決め球があるということか」


土方はそんな幻想に囚われてしまっていた。



足を大きく上げた相沢。


身体を再び折り曲げて、アンダースローで3球目を投じる。


打者から見れば浮き上がって来るように見えるボール。コースは真ん中高め。


土方がそのボールを捉えようとしたが、バットはまたしても空を切った。


ボールは直球とほぼ同じ速度だったが、高めに浮き上がってから急角度で落ちたのである。

フォークと言えばいいのか、SFFと言えばいいのか。表現が難しいボールだった。


「これで、二人目」



球場の大歓声を背に、相沢はそう呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ