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1イニングのエース  作者: 冬野俊
シーズン開幕
95/171

心理戦 2

二番の土方は球界屈指の曲者として名が通っていた。

その理由の最大の要因は、選球眼にある。

とにかく他の選手よりもボールの見極めが上手く、四球率が高いことに加え、良いボールは簡単には見逃さない、際どいボールはカットする。選球眼が良いということは打撃について大きくプラスに働くのだ。


土方を迎えた相沢は無表情だった。そして、捕手のサインを見るが、頷くことも、首を振ることもなく、すぐさま投球に入る。



大きく振りかぶり、スリークォーターからボールを放つ。土方は、初球は様子を見ようと決めていたため、そのボールの球筋をじっくりと眺める。


スピードは速くない。そしてコースもど真ん中だ。土方は欲が出そうになる。打つには絶好球。その誘惑を喉の奥に押し込み、見送る。


「ど真ん中ですよ?打たないんですか?」


キャッチャーの辻が返球しながらそう、土方に向けて言う。土方はその言葉を無視して、打席で呼吸を整えた。


沖田に対してはサイドのシンカー、土方への一球目はスリークォーターのストレート、ならば次は?土方はそもそも読みが上手い選手でもあるが、相沢の場合、フォームと球種が多いため、絞り切ることはかなり難しい。


「とりあえず来た球を打つスタイルで行くしかない」と土方は決めて、ボールを待っていた。

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