森国からのパワー
ダイヤモンズの先発、大八木の後を受けたのは中継ぎの最上。勝利の方程式の三人ではないが、それに準ずる力は持っている。
その後、レッドスターズはスタミナが万全の状態の最上に打ち取られ、六回の攻撃を終えた。だが、この回にあげた3点は途轍もなく大きい得点だった。
「レッドスターズ選手の交代をお知らせいたします。投手の藤堂に代わりまして、ウィル」
ここでまたも森国が動く。
藤堂に変えて投入したのは、こちらも先発ローテーション入りが予想されているウィルだった。
「カントクサン、ガンバッテキマス」
「ああ、ウィル、大事な場面だ。頼んだぞ」
そう言ってウィルの背中をポンと叩いた森国。
「オーウ、チカラガミナギッテキマシター!」
パワーを充電したウィルは意気揚々とマウンドへと向かう。
「サア、ガンバルデス!」
ウィルは快調だった。高身長から投げ込む直球は、球威も抜群で、ダイヤモンズの打者を次々と詰まらせる。気づいてみればあっという間にダイヤモンズの攻撃は終了していた。保守の辻とハイタッチしながらベンチへと帰ってくる、
「流石だ! そのピッチングは頼もしい限りだよ」
ウィルを出迎えた森国にウィルは「カントクサンカラ、モラッタパワーノオカゲデス、ハイ」とまたも森国にウインクをしている。
「監督、ちゃんと次の回もパワーをあげてくださいね」と相沢が言うと、森国は苦笑いを浮かべるばかりだった。




