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1イニングのエース  作者: 冬野俊
シーズン開幕
85/171

六回裏の攻防 6

ベンチから怒号を飛ばす森国。その発した言葉の内容が酷すぎたことから、森国は主審から注意を受けた。


「監督、子供じゃないんですから」


そう言って呆れ果てて居た相沢。ベンチの他の選手たちは森国の突然の行動に驚いているようだった。確かに相沢たちは激昂する森国は慣れているが、チーム内には初めて見た選手もいるかもしれなかった。


叫びをぶつけられた打席の三反崎も同様の反応で、叫んでいた事自体は分かったが、その内容ははっきりと聞こえなかったため、むしろ「俺、なんか悪いことしたっけ」とすら思っていた。


しかし、森国の切羽詰まった様子は理解できた。

三反崎の腹は決まった。



ダイヤモンズバッテリーの警戒度で言えば、一番警戒されるのはスクイズだろう。ホームスチールは相手の裏をかけなければ成功の確率は低い。とすれば、打順が三反崎であること、三塁ランナーが石川であることを考慮すれば、スクイズの可能性は高くなる。


スクイズを警戒してくるとなれば、何球目かにボールをウエストしてくることも考えられる。


安全策で言えば、様子を見ながら有利なカウントまでボールを見極めつつ、作戦をその都度練るというのが良いようにも考えられた。


三反崎への初球は、外角高めに外れた直球。これをすんなりと見送った。続く二球目。今度はど真ん中の直球だったが、これにも三反崎は手を出さない。


三球目。大八木はカーブを選択する。ストライクからボールになる縦割れの軌道を頭に描きながら、ボールを投じる。


それは強打で来た場合にタイミングをずらすことができる上、ボールが落ちていく球筋ならバントも難しいと判断した上での決断だった。

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