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1イニングのエース  作者: 冬野俊
シーズン開幕
68/171

バント

森国が石川に与えた指示。それは「わざとセーフティーを失敗しろ」。

石川は打率こそ高くはないが、身長の低さと足の速さがある。


ただ、普通にセーフティーを決めただけでは、流れが作れない。



要は、ただ塁に出るのではなく、次の打者に文字通り「繋ぐ」ことが大切なのである。


そこに、セオリーを外れた予想外のプレーを投げ込んでやれば、相手は混乱する。



石川への2球目。大八木は外角にボールになるスライダーを選択した。石川はバントの構えを見せたがバットを引いた。


「こいつは、次もセーフティーを狙ってくるかもしれない。ただ、あの足を封じるには投げ終わってから内野陣が一斉にダッシュしなければならず、もしバスターに切り替えられたら目も当てられない」


大八木は元来、頭脳派の投手で、フィールディングの予測なども踏まえて投球を組み立てる。



次をバントと読むか、強打と読むか。



3球目は内角へのストレートだったが、球威はそれほどでもなかった。

大八木の頭の中に「バントならやらせてやれ」という考えがあったからだろう。



打席の石川はやはりバントの構えを見せ、ボールを待つ。


と、同時にサードとファーストがバントに対応するため、前進してきた。



バスターも考えられたが、構えは変わる気配がない。



「バントだ。もらった」と投球後、マウンドを駆け下りてホームへと向かった大八木。





確かに、石川はバントだった。




しかし、そのバットに当たったボールは大八木の頭上を小フライで超えていったのだった。



「プッシュバントか!?」



灯明寺は叫んだが、すでにボールはショートの前へと落ち、石川は一塁ベースを駆け抜けていた。





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