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1イニングのエース  作者: 冬野俊
布石
155/171

続投

森国の悲壮な覚悟の決断は、諸刃の剣でもあった。

相沢が少しでも長くマウンドに立つ事は、本来ならば避けたいとの思いがあったからだ。


球場はざわめいた。これまで開幕試合ですら1イニングしかマウンドに立たなかった相沢が続投したからだ。


逆に盛り上がったのはブレイブスベンチだった。前の回に相沢から安打を放ち、さらには初めて相沢を続投させることに成功したのだから。ただ、8回裏のマウンドに立った相沢も手の内を簡単に晒すほど愚か者でもなかった。



あの「魔球」はこれまで、相手チームに幻覚を与えるために投じてきた、ある種の撒き餌であり、ここぞと言う時に使う最終兵器である。


しかし、相手チームは相沢のことを少なからず過小評価していた部分があった。


何故なら相沢の本当の武器は、その魔球ではなく、もっと別のところにあったのだから。


それは魔球を封印したとしても、おいそれとは打つことのできない制球力と多彩な変化球、それに加えて直球と変化球のスピード差だった。


結局、8回裏のブレイブスの攻撃は3人ともが変化球を引っ掛けての内野ゴロで終わり、魔球を1球も投げさせられないまま、最終回の攻撃に賭けるしかない状況に追い込まれていたのである。



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