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1イニングのエース  作者: 冬野俊
布石
154/171

8回裏の決断

流れを変えたいと願った森国の思いは少なからず天に届いたのだろう。


8回表、レッドスターズは一死一塁から、フランケルと栃谷が連続二塁打を放つなどして3-2と逆転。1点リードで8回裏の守備を迎えた。


「相沢どうする?」


森国の質問の意味を、相沢は瞬時に理解した。


「自分なら行けますよ。ですが、そうなると、この試合からが本番ということになりますけど」


森国は頷く。


「俺は決めた。五十嵐の八百長疑惑は、これはなんとなくというか、勘なんだが、やったことは間違いないと思っている。もちろん、球団としても今回の事で評価はどん底まで落ちるだろう。ならば、今日、この試合から勝負をかける。相沢には大きな負担をかけるかもしれんが」


「分かりました」


相沢はそう言うと、ベンチを立ち上がってゆっくりとマウンドに向かった。


気付いた栃谷が森国に確認する。


「相沢さん、マウンドの方に行きましたけど。もしかして…」


森国は薄っすらと笑みを浮かべた。


「ああ、相沢には続投してもらう」


「ええ!投げるのは1イニングだけじゃなかったんですか?」


「最初はそのつもりだったが、もう背に腹は変えられない状況にまでなった。こうなれば後先を考えずに戦い抜くしかない」


森国の目には恐ろしさを感じるほどの決意が浮かんでいた。

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