ナリーグ順位表と実況席
日本球界復帰が決まった桜井の初登板は、ダイヤモンズとの三連戦初戦に決定した。
ここまでレッドスターズは30試合を終えて、10勝20敗(五月二日現在)と単独最下位となっていた。
日本ナショナルリーグ順位表
1 関東ダイヤモンズ 16勝11敗3分 ーー
2 大阪スラッガーズ 17勝13敗0分 0.5差
3 九州福岡ホークス 15勝13敗2分 1.5差
4 神奈川ブレイブス 15勝15敗1分 2.5差
5 東海ウォリアーズ 15勝15敗2分 2.5差
6 中国レッドスターズ 10勝20敗0分 7.5差
「単独首位のダイヤモンズとレッドスターズの三連戦を迎えました、ここ中国ドーム。本日は実況を私、伊藤勝美、解説には山本俊徳さんをお迎えしてお届けしてまいります。山本さん、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「山本さん、この両チームは開幕三連戦で対決していますが、その時はレッドスターズが勝ち越しました。ですが、その後はなかなか勝ち星を重ねられない苦しい展開が続いていますね」
「ええ、そうですね。さらには坂之上投手が病気により離脱するという事になり、チームとしてもどのように今シーズンを戦っていくのかというところで、桜井投手の復帰は大きかったと思います」
マウンド上には桜井が投球練習を始めていた。山本から見てもその充実ぶりは眼を見張るものがあった。
「桜井投手の活躍が期待されますね」
「今、桜井投手は野球選手としてかなり高いレベルへと上り詰めていると思います。メジャーでも活躍できるフィールドがありながら、敢えて日本球界に戻ってきましたからね。これからナリーグの中心選手となりそうな予感がしています」
そう言って山本は桜井の姿をじっくりと凝視する。柔らかなオーバースローから投げ込まれる直球は、山本が第三者でありながらも心を弾ませてしまうほどの代物だった。




