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1イニングのエース  作者: 冬野俊
シーズン開幕
104/171

検査結果2

「検査結果は…やはり脳腫瘍でした」


言葉を返せない森国。坂之上はそんな森国を気遣ってか、悲壮な表情を浮かべることなく、諭した。


「やめてくださいよ、僕の方がショックなんですから。とりあえず、一日も早く手術をする事が必要だそうです」


森国は眉間にしわを寄せる。


「治る…のか?」


「それは…分かりません。もしかしたら、治ったとしても脳ですから、後遺症が残れば、プロ野球界に復帰できるかも分からないそうです。本当なら即入院だったんですが、最後にこの球場は見ておきたくて、無理を言って入院を延ばしてもらいました。だから、チームのみんなにも森国監督から話をしてください」


大きく溜息を吐いた森国。


「チームのみんなには何と言えばいい?」


「ありのままを、伝えてください。マスコミには病名を伝えていただければ構いません」


「そうか」


立ち上がった森国は坂之上の肩を叩く。


「必ず治せよ。もし、選手として復帰できなくても、俺が監督の間はコーチで雇ってやるから」


坂之上は「ありがとうございます」とだけ言って微笑み返した後、ゆっくりとした足取りで事務所を後にした。

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