夜勤時におけるオニギリの運用について。
私の仕事には夜勤がある。月に4回程度で、それほどキツイ訳では無いが、年とともに体に負担が掛かって来ているのは明白だ。
翌日の夜勤明け、その翌日の休日と、ゆっくり寝ても、体の不調が残ってしまうようになってきた。
と、いう事情は置いといて、夜勤に持っていく飯、略して夜勤メシの話である。
これはオニギリ一択。これ以外は認めない! と、頑固親父になるほど、オニギリばかり持っていく。
というのも、先ず第一に全食べ物の中で米が一番好き。そして時間が無いので、サッと食べられて、腹持ちの良いものとなると、必然的にオニギリになるのだ。
以前に嫁が弁当を用意したことがあったが、それを見た私は口には出さないものの、大分ションボリしていたのだろう。次の夜勤からは完全にオニギリ一択となった。バンザイ!
もう夜勤メシというより、夜勤オニギリ、略してヤキオニだ! ……いやいや、これではメニューが限定されてしまう気がする。
私のオニギリは〝自由〟と書いて〝じっけん〟と呼ぶほど、多種多様な試行錯誤の場と化している。
というと凝りまくっている印象かも知れないが、そんな事も無い。単に冷蔵庫や冷凍庫にあるもの、昼飯の残り、などなどを物色して、米ん中にぶち込んで持っていく。ただそれだけの事だ。
まずもって夜勤には四つの巨大オニギリを持っていく。それを夕食時、一息ついた後、仮眠明け時、一息ついた後、といった感じに分けて食べる。
その四つは、ほとんどの場合、別種類で構成されている。これは夜勤時の拘束された不自由さから、一時でも解放されたい、とする情動の表れだと思う。
先ずもって一つは塩むすび。これが私の一番の好物だ。ノリはあってもなくても良い。これを最初の夕食時に食べる。この後も動かなくてはならないから、米だけという腹の軽さも、心地よい。
次に一息ついた時に食べるのは、ごま油の効いたガッツリ系オニ。
このガッツリ感で、興奮している気を鎮め、仮眠に向けての精神状態を作り上げていく。
主に出番があるのは、塩昆布×ごま油、だしつゆをしませた揚げ玉とネギ×ごま油(所謂たぬきにぎり)、ジャコ×ごま油。
四つのオニの中で、一番の旨味を誇る。いわば花形的な立ち位置だ。
次に仮眠明けに食べるのは、これから始まる仕事に差し障らない軽めのオニ。
登板機会の多いのは、梅、シャケなどの定番メニューだ。これを食べながら、一人孤独な朝を迎える。そして梅の酸っぱさで目覚めた私の活躍! が人知れず行われた後、いよいよもって第四のオニの登場である。
ここに来るのは、一番楽しみにしている、実験オニである事が多い。基本ネチャッとしないものであれば、何でも握ってしまう。その結果……チーズ、汁気の出るもの、生野菜、マヨ系は余り好みでないのがわかった。
それと反対に、イカ天、唐揚げ、揚げシュウマイ等の揚げ物系が、夜勤明けの口に合う事に気付いた。
これから夏場に近づくと、気温による腐敗を計算に入れないといけない。ケンミンショーで見て以来、定番化した卵オニギリ(薄焼き卵でご飯を包んだもの)などは、本来ならば第四の実験オニの分類なのだが、卵の腐敗のはやさから、第一オニに持ってこなくてはいけないのだ。
こうして夜勤のオニギリ運用についてあれこれ試行錯誤をしている内に、楽しく明けていく夜。
帰る時には、オニ達を入れていたビニール袋に、一晩の汗を吸いこんだ、シャツと靴下を入れて、帰宅の途につく。
その頭の中は、ひとっ風呂の後のビールとつまみの運用に支配されている事は、言うまでもないだろう。
オニギリのお供はチキンラーメン(袋メン)一択! 安くて美味くて、手早くて、安心のチキラー万歳!