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第4話「ストレスたまって鬱になっちまう。今時の若者なんだと思ってんだ」

今日もしっかり更新です。

「ほんとすいませんでした・・・」

「ごめんなさい・・・」

「もう喧嘩するんじゃないよ?」

隣のおばさんの介入よりどうにか、平静を取り戻した俺はここはとりあえず謝らなければと思いつつも、泣き腫らした眼で俯いてる香坂になんと声をかけたものかと悩んでいた。



「あ、あの」

「ひぅ!」

完全に怯えている。

どうしたものか・・・。


「よっと」

「っ!」

・・・立ち上がっただけで、そこまで怯えなくても・・・俺だって傷付くぜ・・・


立ち上がった俺は常備されている飴を取り出す。

これは、食べた者に特別なひと時を与える、そんな飴。俺もおじいちゃんからよくもらったもんだ。


「食うか・・・?」

恐る恐る俺の方を見る香坂。

飴を見るなり、一瞬表情が戻る。

「・・・」

無言で飴を香坂の前で振る俺。

それを眼で追う香坂。

投げ渡すと即座に口にいれた。

美味しそうに食べるぜ。

「・・・♪」


・・・。



・・・これは庇護欲であって決してやましい感情ではないぜ?


「さっきは悪かったな。もう怒ってないから、話の続きを聞かしてくれ」

「さっきのは私も悪かったわ。でも、あんたキレるとめちゃくちゃ怖いわね」

「・・・面目ない」

「まぁいいわ。それでどこまで話したかしら?」

「たしか、今の所どうこうする気は無い、みたいなとこ」

「あー、そんな話だったわね」



「それじゃ、さっきの続きから。確かに、危険度は低いけどそんな可能性を秘めたあんたをそのままにする訳にもいかないのよね。なんせ、本気になれば歴代最強の『契魔者』よ?凄いけど、今は危惧するほどじゃ無い。そんな人物がいたら組織はどう動くか、分かる?」




「・・・」

話の流れが徐々に収束し始めた。


「敵になれば害悪、置いとく訳にもいかない。もう分かるわよね?」



あー、元からそこにつながっていた訳だ。自分の身の危険を取り除くと同時に、あわよくば、力すら手に入れられる。実に良くできてるぜ。これは、問いじゃない、確認だった訳だ。


「簡単な事だ。俺が『学会』とやらに入ればいい、って言いたいんだろ?」

「その通りよ。衣食住、月給、一般社会用の偽プロフィールも作れるし、悪い話じゃないと思うけど?」

「まぁ確かに、条件は相当いいだろう。・・・だがな、現代人が求める大事な大事な条件が抜けてるんだよ!」

「え!?破格もいいとこよ!?これ以上の条件なんて・・・」

「ふふふっ・・・まだまだ小娘だな!」

「その言い草はムカつくけど、聞かせてもらおうじゃない!!現代人が求める必須条件とやらを!!」

「いいぜ、教えてやる・・・それは・・・」





「職場の人間関係だ!!」




「・・・え?」

「現代っ子の辞める理由の上位に食い込む、打たれ弱い今時の世代が求める必須条件だ!!」

「え、え?え?も、もっと優秀な上司とか、カリキュラムとか研修とかじゃなくて?」

「は?何言ってんだ?そんなもんばっか受けてたら、ストレスたまって鬱になっちまう。今時の若者なんだと思ってんだ」

ガラスどころか、氷ですよ。勝手に溶けてなくなるから。

「・・・人間関係は・・・悪くはないわよ、悪くは」

「良くもないと?」

「個人差があると思うわ」

「困った時の逃げ、だな」

「否定はしないわ」

「堂々というんじゃねぇ」

「曖昧なよりはいいと思わない?」

「そりゃ同感だ。まぁ、お前がしっかり付いて居てくれるってんなら大丈夫そうだけどな」

「・・・」

「ん?どうした?」

「・・・あんた、告白された事ある?」

「ねぇよ、よくて罰ゲームだ。罰ゲームだろ?って言ったら泣きながら帰られて、俺に見破られたのがそんなにショックかと。むしろ、俺が泣きそうだったぜ」

「あんたに合う人間関係なんて・・・そうそうありそうに無いわね」

それでは、まるで俺が問題児みたいじゃねぇか、全く。


「話の流れ的にわかってると思うけど」

「まぁ、そこまでバカじゃねぇよ」

「一部を除いてね」

一部?何の事だ??



「それじゃ、明後日『契魔学会』日本支部へ行くわよ!」


概ね予想通りだな。だけどよぉ・・・


「明後日、俺、学校」

「休みなさい」

あぁ、俺の単位が・・・




ようやく、話が動きそうな兆しが・・・

本文の内容はあくまで個人の私見ですのでお気になさらず(笑)

誤字脱字、読みにくいや若者舐めんななどありましたらお申し付けください。

感想などもくれるとうれしいです!

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