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プロローグ1「迂闊に路地を曲がるべきじゃない」

この作品は、総じて1話の内容が少なくなると思います。

それは、すべて作者の発想力の貧困さであり意図はありません。

「短すぎて読んだ気がしない」という方は、

1週間に一度くらいに来ていただければ溜まっていると思います(笑)


これは一体どういう状況だ?


眼前に広がる平凡な俺とはかけ離れた非日常。



この原因を知るために、少し時をさかのぼろう。



冬も佳境を迎えた2月終盤。今年で卒業となる4年生の最終作品が完成し、その打ち上げもかねてサークル棟の一室を教授の厚意により借り、酒つまみ当番の俺が、来年は俺たちも卒業だなー、と漠然とした未来予想図を思い浮かべながら最寄りのコンビニへ向かっているところだった。すでに10時を回り、ちらほら見える星を眺めながら、近道である薄暗い路地に入ったところ。

そこで、俺が見たのは、



暗闇の中でもわかる、真っ赤な海だった。



俺の数歩前には、血だらけで倒れてる女性がいる。これだけでも、十二分に不思議な状況だ。それでも、救急車を呼んでから警察にも連絡入れれば事情聴取などは有るかもしれないが偶然、事故現場にあってしまっただけで済んだだろう。

だが、現実はそう甘くないらしい。いや、むしろ甘すぎる。神よ、八百万もいるのに仕事が甘いんじゃないか?なんせ、その数メートル先に、



体長4メートルほどの二足歩行のトカゲがいたからだ。



ああいうのをなんと言ったかな?そうだ、たしかリザードマンだ。なんとまぁ、ファンタジーなことだろうか。角を曲がったら、あなたが勇者です。どこかのゲームの題材見たいだ。売れそうかどうかはさておきだが。


「そこの・・・あなた・・・!は、やく・・・逃げな、さい・・・!!」


俺が、売れるゲームと売れないゲームの差なんて宣伝量の差だ、という結論を出している間に倒れていた女性が最後の力で立ち上がり、何かをリザードマン(仮)に放った。すると、リザードマン(仮)がその場で停止した。


余談だが、立ち上がったところで顔が見えたが、かなりタイプだ。


「えーと、大丈夫ですか?」


「これで・・・大丈夫に見える・・・?」


「意識ははっきりしてるようで」


「よくそんな冗談・・・言えるわね・・・?」


「いえ、テンパり過ぎて現実を放棄してるだけです。それに、女性をおいて行くほどヘタレでもないですしね」


「そう・・・ふふふ」


そうこうしてる間にリザードマン(仮)が女性が放った何かを打ち破り、こちらに向かって来始めた。獰猛な牙が見えている。


「・・・こりゃ、死にますね」


長いようで、短かった気がする一生だった。もし、来世がくるなら曲がり道と大きなトカゲには気を付けよう。それじゃ、父さん母さん。一足先に逝ってきます。


「・・・死なない方法も、あるわよ」


「え?」


残り5メートル。以外と鈍足だ。


「本来、ダメな事なんだけどね」


「かまいません、やりましょう」


「それはこっちが言うことじゃない?それじゃ、これを持って?」



そういって、鍵のようなものを渡された。

残り3メートル。脚は歩けるほどに発達したのに、手が短くて届かないんだな。


「よし・・・じゃ、その鍵で契約して」


「契約?」


「握りしめて契約!って念じればできるわよ」


「分かりました、わかりませんけど」


「頑張ってね」


「はい」


その鍵を握りしめた腕から光が漏れ出した。リザードマンももう目の前だ。飛びかかって来る。


「ところで、契約って------」


なにとですか?そう聞こうとした時には俺は光に包まれていた。



「・・・契約相手は、性格最悪だけどね・・・」





目が痛い。


手元にLEDのライトがあるとする。二つ大きなものがいいだろう。それを両目の前に持って来て付けてみる。

それの10倍くらいが俺の感じている光だ。はっきり言おう。ふつうに失明レベルだ。


「特殊部隊でも来てくれたのか?」


犯罪者制圧用のスタングレネードをつかうの特殊部隊のはずだ。


「残念だが、もうチィ~っとばかし特殊だぜ?ケヒヒッ!」


・・・なんというか、振り向きたくない。


後ろから声が聞こえたのは別に不思議な事ではないし、声を掛けられるなんてよくある事だ。


「ヘイヘ~イ?どうしたんだ~?ケヒヒッ!」


理由は、その声からの小物臭が尋常じゃないからだ。ケヒヒッ!ってなんだ。なになにでゲス!と同レベルだ。


「・・・いやぁ、振り向いたら取り返しのつかない事になりそうでね?」


「もうクーリングオフ期間は終わっちまったぜ?ケヒヒッ!」


「法外もいいとこだな」


「悪魔に法だなんてな~?猫に小判、豚に真珠、馬の耳に念仏だぜ?ケヒッ!」


「その笑い方は短くもなるんだな。要は、意味がないと?」


「そういうことだぜ~!ケヒヒヒヒッ!」


「増やすな!・・・ん?・・・おい、待て」

今、どうしようもなくおかしな言葉が聞こえた気がする。

「今の言葉、もう一度言ってくれ」


「『ケヒヒヒヒッ!』」

「それじゃない!」

「わかってるって~、『悪魔に法だなんてな~?』だろ?ケヒヒッ!」


そう、それだ。

『悪魔に法』。

それくらい性質たちが悪いという比喩なのかもしれない。

だが、もしかして。

もしかして本当に『悪魔』だとしたら?

こうなったら、振り返って確認するしかない。


「・・・早まったか・・・」

「ご愁傷様、ケヒヒッ!」


そこにいたのは、耳がとんがり鼻が長くて背中に蝙蝠のような羽の生えた悪魔でした。

俺のただの変な奴、という希望的観測は絶望になりました。

それはさておき、


「お前、ちっちゃくね?」

「コンプレックスは突くもんじゃねぇぜ?ケヒッ・・・」


どうやら悪魔らしい容姿はいいものじゃないらしい。


「・・・まぁ、それはさておき、悪魔なんてモンがいるってことはここが地獄か?予想より小奇麗だな。多少暗いが、真っ赤なのをイメージしてたぶんそう感じるだけかもしれないけど」

全体的に藍色という感じか?


「は?何言ってんだ兄ちゃん?ここは地獄なんかじゃないぜ?ケヒッ!」


「ちがうのか?てっきり死んじまったもんだと思ってるんだが・・・」

でも、死ぬ前最後に何か言われたような・・・

そう、たしか・・・


「ケヒヒッ!どうして知らずにここに来たのかは知らないけどよ、来たからにはしっかり相手を務めさせてもらうぜ?」


そうだ。


「ようこそ!契約者の館へ!!といっても悪魔とだけどな?ケヒヒッ!」

「・・・迂闊に路地を曲がるべきじゃなかった・・・」


中途半端なところですいません・・・

次もできるだけ早く書きますので、少しだけ待っていてください。

誤字脱字があったら言っていただけると嬉しいです。

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