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63聖女たちに映像を見せて楽しませることにした

 王国にクレームを入れるよう言っておくと言われたが、あのお気楽王が帝国であろうと言うことを聞くビジョンがこれっぽっちも浮かばないのが問題。


 問題を大きく致命的に広げているのは時期王太子の未来の妻、令嬢だ。ペコラを平民と思うまではいいが、脅威と想像を膨らませ聖女の反感を知らず知らずに買っている真似。国を背負い立つ人間として信じられないほど浅はか。

 あとで聖女と知らなかったと言っても、それ以前の話だとわからない時点でなんだかなぁ。なんてところだろうか。


「私を誰かと勘違いして、部屋をウヨウヨして、私が普通だったら今頃ガタブル案件だった。他国とはいえ王子に変な目で見られてまともに学校通えるメンタルしてる人なんて、貴族にも平民にはそんなにいないでしょ」


 頭を何度も振る。


「おいたわしいわ。ペコラ様」


 ハンカチを出してくる聖女。何度もこう学校生活をまともにやらせてもらえないのだから、なにかの因果かと泣いてしまうのも無理ない。しかし、別に自分としては苦痛に思ってない。


「ペコラ様。どうなさるおつもりですか」


「行く必要なんてないわ。なんだか嫌な感じがしますもの」


「そうよ。何をされるともわからない国に」


 皆の言いたいこともわかるが、見逃すのも惜しい気持ちもあるんだと話す。


「惜しいですか?」


「エンターテイメントって言ったら、わかるかな?娯楽」


「ご、娯楽ですの?」


「少し分かります。先ほどの映像、第三者としてみたら次何を言うのかと、怖いもの見たさがあるんですのよ」


 聖女の一人がおずおずと恥ずかしげに発言する。他の人たちも頷く。


「私の身に起きたことで、本当に起きたことなんだけど……なにかデメリットとか嫌な目に遭うわけじゃないし。ということは……楽しんで見ればそれはそれで美味しい動画を鑑賞すればいいかなぁと」


 よくしてるし、と付け加える。


「見ているのですか」


「流石は余裕ですねえ」


「ペコラ様はお強い方ですし、そんな楽しみ方をされてお釣りが来て丁度よいのでしょう」


 聖女たちは今までの苦難とやり返しを思い出しているのか納得している。強いから平気。事実だし、本当のことなので当たり前だと頷く。アルクレイたちも強いからなにをされようと、ノーダメージだと頷き合う。


「どうなさいます?」


「様子見かな?面白いものが撮れたらあなたたち用に、動画編集して公開しようかなって」


「動画を公開?ですか?」


 ペコラは一つ首を縦にして、面白いだろうから楽しんで待っててと伝える。まだ何を見せられるのかと気になっているが、できてからのお楽しみだと笑う。

 笑うというが心の中なので無表情に周りから写るだけ。それでも、ペコラたちが本当になにかを撮影して、見せてこようとしていることは伝わったらしい。


 食べ物だけでもすごく嬉しいのに娯楽もなんてと言われるが、今までもシンプルなものを作っては教えてきたからその延長線なだけ。


 これからもっと娯楽を広めたいと思っているなら、クリエイターの心が湧いてきたから。相棒と作り上げるとなれば、最高傑作になるだろう。聖女たちも聖騎士たちもきっと喜ぶに違いない。


 例の人たちは誰に何をしようとしたのか、きっとわかっていない。聖女に手を出すことは世界を相手にすることだ。それすら理解できていないのだから救いがない。

 平凡だとしても、ストーカー行為は倫理的にアウトだ。おまけによくわからない理由でストーカーをして部屋をウロウロして、勝手に調べて不快にさせてくるのだから有罪。

 誰がなんて言おうと有罪だ。というわけだ。プライバシーを探り勝手に調べたからアウト。さらに言うと彼らは反省しなさそうだし。


 反省をしたのだとしても、大して何の役にも立たない反省だし。生産性を持っているから聖女は好きにできるし振る舞えるのに。彼らは父親に泣きつくだろうが手遅れ。

 手遅れなのはわかっているだろうから、何を言っても無駄と言うことになる。いくら変わっても無視した方が悪い。彼らは何も理解していない。


 恵まれているのに探ると言う方法が、暇だからそういうことになったのだと言うことをついでに言うと、人に仕事を丸投げして呑気に食っちゃべっているところもあったのだろう。

 自分たちは国を守る側の人間という意識が全くない。逆に自分の国だから人を好き勝手使える、と言う傲慢さだけは多々ある。甘受して放出しないダメなタイプ。お金みたいに使わないと経済は回らないというのに。


 聖女たちはそういうこともあるかもしれないと評価を得ていて、最終的には国自体がなくなるかもしれないと思っている。国が無くなっても仕方ないだろうと自分は思うのだが、常識的にはどうなのだろうかと気にしたところで、彼らの破滅は近い。


 そして、確実に近付きつつあるだろう。誰が止めても止めなくてもきっとそうなるだろうとなんとなく、彼らは調査だけでは収まらないと思う。

 声をかけたり、女の婚約者の願いを叶えようと動くような情けない人間になってる。その度に王に怒られるだろうし、周りも側近として資格なしとするだろう。

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