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尽くし型

『なかなか快適だ!』



バシャバシャバシャ



「コジー様~、こっちこっち~」


箱根の避暑地


まいまいの所有しているプールつきの別荘で気持ちよさげに泳ぐコジーと唯にまいまいは生乳ソフトを持ってくる


「楽しんでくれてよかった。はいっ、ソフト搾りたての牛乳で作っているから美味しいよ」


「さんきゅ♪まいまい。コジー様も召し上がれ♪


「ありがとう~♪ まいまいのおかげで貸し切りでコジー様と泳げて最高♪」


「どういたしまして。 パパの別荘だったんだけど好きに使っていいって18の誕生日に譲ってもらったのよ。


ここももいいけど秋や冬には素敵な秘湯の温泉旅館もおすすめよ?」


「わぁ~秘湯なんて行ったことないよ~♪ コジー様も一緒に行ける?」


「もちろん、コジーくんも唯も大満足の旅館だからお任せあれ(笑)」


コジー様と温泉かぁ…


はっ、ってことは…は、裸を見られてしまう…ど、どうしよう…


ま、いっか…まだ先だもんね




『美味だ…口に入れた途端に冷たいミルクになる…』


夢中で生乳ソフトを食べているコジーを見てまいまいは唯に耳打ちする


「大丈夫? たしか犬って糖分NGじゃなかった?」


『問題ないぞ』


「ああ、それね、この子は特異体質で平気なの」


『この子呼ばわりするな…お前の子供になった覚えはない…』


「ごめんなさい、下界じゃ飼い主は自分のわんちゃんをそう言うから」


『そうか…なら我慢してやる』


ぷっ、あははは!


突然爆笑したまいまいに唯はドキリとした


まさか私達の会話が聞こえたわけじゃ…


「どしたの? 急に…」


「くっくくく…ごめん、ごめん。だって、とコジーくんSMカップルみたいでおかしいんだもん」


え、SM…って


「常にゆいちんがコジーくんに気を遣ってコジー様なんて呼んでるしさ


普通は飼い主が犬に威厳を見せて支配するもんじゃない」


「そう…だね…私はハスキー様に只ならぬ憧れを抱いているからかな…」


「知ってる(笑)ゆいちんらしくていいんじゃん。SMハスキーカップル誕生~♪」


もう、すぐそうやってからかうんだから


でも…私の為にここに連れてきてくれたんだ…優しいんだよね まいまい


ザバ…プルプルプル…


わぁ…水しぶきが涼しくて…カッコいい…


プールから上がりシバドリルするコジーに見惚れる唯


その視線に気づいたのかじいぃぃっと見つめるコジーにまたまた心臓鷲掴みな唯


『なんだ? 見惚れてるのか?』


えっ…!!!


「な、な、なな、何言ってんの! そんなんじゃないから!」


『俺に嘘は通じない…匂いで心を読めるって言ったろ…』


あ…


そうだった…コジー様は人間を匂いで嗅ぎ分けられるんだっけ…


スタスタスタ…


え…?


コジーは唯の傍に来ると膝の上に顎をのせて瞳を閉じる


「ちょ、どうしたの? 具合悪いの?」


『ひと泳ぎしてクールダウンした…気持ちいいから寝る…』


そうなのね…よかったいきなり…膝枕してくるからびっくりするじゃない…


パチリ…


えっ、なに!


『30分は起こすなよ…おやすみ』



そう言い 気持ち良さそうに寝息をたてるコジーの頭を唯は起こさないようにそっと撫でる




やっぱり…SMカップルだわ! 面白っ


ゆいちん、尽くし型なのね…くすっ


さてと…ひと泳ぎしますか…


幸せそうな二人を見届けるとまいまいはスクっと立ち上がり華麗なフォームでプールに飛び込んだ







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