田舎の青年が東京で逮捕されるまでの10年間の記録
ボクは逮捕された。
どこで人生を間違えただろう。そもそも生まれた来たことが間違いではないのか。
堂々巡りにもなりそうな思慮を重ねた結果、明らかな転換期があったと確信した。
そう、10年前のあの日だ。
〜10年前〜
2014年。当時20才の自分は上京した。
理由は特に無く、なんとなく暇なのでそろそろ東京に出ようと思った。
地元駅弁の医医に3回チャレンジしても受からず、三浪突入すると新卒カードも切れないしハイスペルートはここで断念した。そもそも学問が向いてないのは3年も受験勉強すれば嫌と言うほどわからされた。
他の選択肢も浮かばなかったのはデカい。東京に出れば何かが変わると思った。
勢いで出てきて上京当時の所持金が9000円だったのでとりあえず一刻も早く職場を探そうと思った。
ドカントという水商売と風俗系の内勤スタッフの求人情報サイトから探した。なぜなら夜職は日払いがあるからである。
最初はキャバクラのボーイをやろうと思っていた。が、電話が繋がらなかったのでたまたま次のページにあったホテル型のイメクラの店舗に応募した。
なぜ電話が繋がらなかったのかというと当時はわからなかったが、掛けた時間が17時なので店内に誰もいなかっただけだろうと今ならわかる。
あまり風俗系に詳しくない人に説明しておくと、イメクラはイメージクラブの略で、簡単に言うと痴漢とか夜這いプレイをするお店で最近はあまり見かけないかなぁと思う。
当時は学園系のデリへルが流行ってたのでサービス特化でこういうお店が出来たのだろう。
イメクラのお店は新宿にあった。見るからに怪しいビルで面接。もちろん当時は風俗で遊んだことも無い。入店時は緊張した。
40代くらいの普通のおっちゃんが面接担当だった。ヤクザみたいなのが来なくてよかった。ほっと胸を撫で下ろした。
バイトは募集してなく社員の募集のみなこと、月給は見習い26万円スタートで一般社員は30万円、主任は34万円、店長は40-50万円、エリアマネージャーは純利15-20%の完全歩合、1日の本数によっては別途ボーナスが出ること、日払いは上限5000円、1日12時間拘束で1時間休憩、月4日休み、みたいな説明を受けた。
時給換算すると850円くらいのスタートだったので少し悩んだが当時の俺に選択肢は無かった。
朝8時半。勤務初日。初日は先輩の社員に色々と基本的な業務を教えてもらった。
まずは待機室の掃除や制服の位置、大人のおもちゃの保管場所などの説明。グリンスと呼ばれるボディソープの補充、イソジン、ウエットトラストと呼ばれるアソコに仕込む擬似愛液など、掃除や補充や備品管理が最初の業務だった。
このあたりはすぐに終わる業務で次は来店のお客様を案内する仕事を教えて貰った。風俗店は来客したお客様の成約率に関して、案内した人の技量が入り込む余地は割と大きいので、最初は接客でなく受付中に来たお客様を待合室に案内するのが最初の業務だった。
12時になりお昼休憩。
ここで店長から提案。横浜店がかなりの人手不足だから行けないか?と。
自分はどちらでもよかったのでOKの返事をした。
この選択が後々の自分をかなり苦しめることになるとは当時の僕はわからなかった。。。