決意 フルバーニア
そして俺はトラックに粉砕され、トマトケチャップになってしまったのでした。ちゃんちゃん
んなとこで終わるわけねーだろバカタレェェェェェェェェ-----!!
ざけんなボケーーーーー!!
うんこも垂れ流しだぁーーーー!!
おぎゃぁーーーーー!!!
「あらあら、サイちゃん、どうしたの?お腹空いたの?」
やあ、みんな。俺の名前は.......いや、私?自分の性別がどっちなのかも良くわからんな。
でも多分男な気がする。生えてる気がする。
知らんけど。
ともかく、俺のこの世界での名はシリカ・スコルッツヨ、前が名前で、後ろの変なのが名字だ。ママの名前はカレン、パパは知らん。
さっそくだが、俺はどうやら転生したらしい。
特に驚くようなことでもなかったかな....ハハハ。
とりあえず、俺はこの世界でやり直すチャンスが与えられたんだ。前世の俺は.......なんというか世間と価値観が合わなかったのだと思う。例えば恋愛話とか、あと人の悪口を言うのも、俺はどうしょうもなく苦手だった。家族とだって世間話なんかほとんどしなかった。別に仲が悪かったわけじゃないけど。
..............完全に腫れ物扱いだった。
俺は成績が良かった。ネットじゃ特別褒められるようなものではないけど、世間で見ればかなりいい方の大学へ進学した。大学へ入ったあとも勉強を続けた。理系だったのもあるけど、やっぱり1番は他にやることがなかったからだ。
そして俺は中途半端に優しかった。周りは俺をいじることさえできなかった。もし下手に何かを言って俺を傷つけてしまったら、きっとその他大勢の生徒はこう思うだろう。「あんなに優しい子に、こんなヒドイことを言うなんて最低だ。」ってな。
もう............もう、一人ぼっちの孤独も、ゲームと飯くらいしか娯楽のない生活も、中身のない褒め言葉を言われるのも、うんざりだ........!!
変えてやる.......この世界を.......!!!
俺は.............最強になる!!!
アレ?ちょっと文脈おかしいか?
まぁいいか、「問題を解決する」、「最強になる」うん、どっちもたいして変わらんな!
......いや、待てよ。そもそも俺は一体誰によってこの世界に連れてこられたんだ?神様か?
もしその神様が人を不幸にすることで愉悦を感じるヤベーやつだったらどうしよう.....。
もし、もしも本当にそんなヤバいやつだったら、仮に最強になったとしても..........。
もわもわもわもわ~~~~ん
「キャーー!助けてーー!!」
「おい!町が破壊されているぞ!どうするんだ、シリカ!」
「ぐぅー、すぴー........うう、むにゃむにゃ」
「おい、バカ!お前この爆音のなか何ぐーすか眠ってんだ!」
「.......はっ!?なんだ、一体どうした!?」
「ようやく、お目覚めか、バカ野郎!今、戦況は──」
「何ぃぃーー!?王都の軍隊が全滅ぅぅーー!?」
「え?あ、あぁ!そうだ!そんで──」
「えぇーー!?王都に魔物が雪崩れ込んできてるだとーー!!しかも、軍は王都にほとんど残っておらず、辛うじて冒険者たちが魔物の流れを塞き止めていてくれているものの、それが崩壊するのも時間の問題だとーー!?お前それ大ピンチじゃねぇーかー!?」
「シリカ、俺まだなにも言ってない」
「くっ、どうにかできねぇのか!?..........あっそうだ!その手があった!」
「なんだ、何か良い案を思いついたのか!?」
「パワーでどうにかすればいいんだ.......!」
「あれっ、とうとうイカれたか?」
「パワーは全てを解決してくれる。アハハッ、どうしてこんな簡単なことに気がつかなかったんだろう!」
「おい、シリカ!その悟りを開くんじゃない!脳筋になるぞ!」
「アハハ、アハハー!!」
「待てー!お前どうせ火力がバカみたいに高い技でどうにかしようと思ってんだろー!戻ってこーーい!!」
「グワハハ!ようやくきたか、シリカ!
見ろ!!この街の光景を!お前の愛したものが今、まさに崩れ去ろうとしているのだ!グワハハ!ワシはこれだけを楽しみに今まで生きてきたのだ!ちなみに、このワシを倒すとこの件の問題が全て解決するぞ!
だが、ちっぽけなお前にこのワシを倒すことなど到底ふかの──」
「波ァァァァァーーーー!!!!」
「えっ?......なんじゃそのクソ強そうなビームぅぅぅウウウアアァァァァァーーーー!!!??」
こうして悪の大魔神は滅び、世界平和が実現したのだった。
もわもわもわ~~~~ん
ふむ、まぁ大丈夫そうだな。ついでに世界平和も実現しそうだ。
そ、そんなことよりも、ママー!
「うぇーーん、うぇーん!」
「どうしましょう、どうしましょう!?」
早くお尻拭いてー!なんかすごい痒いんだけどー!?




