表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/50

旅立ちの前に

「出発は明日の明け方だな」

「えっ、、なんでですか?今すぐ行きましょうよ」

「いや…自分で言うのもなんだけど、お前さっきまで俺のせいで死にかけてたんだぞ。

暖かい部屋で一晩しっかり身体を休めるんだ」

「でも、もう結構元気です!」

「駄目だ。エビアスの町までは、魔物の住む森を抜けて何日もかかる。 暗いうちは危険だ。

それに、他の駐留兵に別れぐらい告げたいだろ?」


イチカは、アストンとバップのことを思い出し、顔をしかめた。

「あー…あの人たちは別に。でも、そこまで言うなら分かりました!

それなら団長も一緒に部屋で休みましょう!」

「いや、俺は外で待ってるよ」

「そんな!だって無実の罪着せられて3年間もあんな処刑場に封印されてたんですよ!

ふかふかのベットで休みたいと思わないんですか!?」


「ふかふかのベッド…」


マヒロは、その響きの強烈な誘惑に気持ちが揺らいだ。

3年間燃え滾るマグマの中で怒りに燃えていたマヒロに、「ふかふか」という強大な誘惑の言葉に抗うすべなどあるはずがなかった。


「ま…まあ、お前がそこまで言うなら」

「よかった!じゃあ戻りましょ。あっ!!」

「騒がしいな。今度は何だ?」

「いや…、よく考えたらちょっと問題が」

「問題?」

「団長って…その、色んな意味でとんでもない有名人じゃないですか。

監視棟にいる先輩の兵達ももちろん団長の姿知っていると思うんですけど、

3年前の真実話して、団長の無実を訴えても多分聞き入れてくれる人たちじゃなさそうな気がして。そもそも団長が生きてるってこと自体とんでもない大ごとですから」

「…あぁ、なるほど。たしかにまだ存在を知られるのは面倒だな」


マヒロはじっと考え込んだ後で、イチカに尋ねる。


「この辺りに動物はでるか?」

「動物ですか?昨日森で雪うさぎなら見かけましたよ。すごいモフモフして可愛いかったなー」

「うむ…うさぎか。試してみよう」

「試すって、何をですか?」

首を傾げながら尋ねるイチカにマヒロはイタズラっぽく微笑みを返した。

貴重なお時間を割いて頂きありがとうございます。

本作に少しでも興味を持って頂けたら、下記2点より作品の評価いただけると幸いです。

執筆の励みになります。

・「ブックマークに追加」

・下部の☆☆☆☆☆をクリック

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ