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イチカの記憶 (4) ―3年前、オーリの村の惨劇―

イチカが目覚めた場所は、王都の病院だった。


「おおっ!よかった!目を覚ましたか!」

「ここは、、」


モヤがかかった意識の中、防護服を着た医師の言葉に耳を傾ける。


「君は1週間寝てたんだよ。

屋内にいた人間でさえ亡くなっているのに、屋外で直接疫病に触れて目覚めたのは君だけだ。

すさまじい生命力だ」

「…疫病?」

「ああ。忌々しい疫病神がばらまいたそうだ。

幸い十字軍の科学部隊のワクチンが効いたようだが、しばらく安静にしてなさい」

「母は、、?弟や妹たちは」

その言葉に医師は、黙り混んだ後で首を左右に降った。


「イチカ=シオン。残念だが、君の家族は窓を開けて疫病神となったマヒロ団長の姿を見ていたそうだ。だから…助からなかった」


イチカは目の前が真っ白になった。

大切な家族を奪われた。

優しい家族の笑顔を思い出しイチカは声を押し殺して泣き明かした。

貴重なお時間を割いて頂きありがとうございます。

本作に少しでも興味を持って頂けたら、下記2点より作品の評価いただけると幸いです。

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