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王属十字軍 第一師団団長・天音マヒロ

衝撃波が起こるほどの速度で大蛇は地を履いマヒロに食いかかった。

マヒロはヒラリと宙高く舞いあがり交わす。

大蛇の牙から垂れた唾液が鉱石の地面を溶かした。


「猛毒か。さすが、手強いな」

マヒロは空中で頭を地面に向けたまま、腰に下げた刀の束に手をかける。

が、一瞬躊躇った末手を離すと拳を握り大蛇の頭部に正拳を振り下ろした。


バキバキッ!!


水晶の鱗が砕け地面にヒビがはいる。

マヒロは気絶した大蛇の頬を優しく撫でた。

「縄張りを荒らしてごめんな。ちょっと伸びてて」


マヒロはそのまま奥に進むと、大きな水溜まりが現れた。

水の色は闇のように暗い。

「...隔世の結界か」

マヒロは頬を引きしめ、水溜まりに足を踏み出した。


次の瞬間、水たまりは消え辺りは白い砂漠と墓標のような石碑が立ち並ぶ空間に変わった。

今まで地下深くの洞窟にいたことなどまるで信じられないことに、頭上には星空が広がっていた。

正面には石段があり、その上には白髪で黒い着物を着た色白の男が胡座を書いて座っている。


「...疫病神トキシカントだな?」

頬付をつき目を閉じていたトキシカントはゆっくりと片目をあける。

深紅の瞳で静かにマヒロを睨みつける。

「何だ貴様は」


マヒロは、鞘から刀を抜いた。

その刀身には無数の呪符が巻きついている。

「アシナ王国、王属十字軍第一師団団長・天音(あまね)マヒロ。お前を討伐する」

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