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イチカの記憶 (1) ―3年前、オーリの村の惨劇―

意識を失いながら、イチカは夢を見ていた。

今でもに何度も見てきた、3年前のあの日の悪夢を。


―その日の夜、十字軍への入隊試験を間近に控え村の武道場でイチカは遅くまで訓練に励んでいた。


武道場を出た頃にはすっかり夜遅くなっていた。


「帰って、筆記試験の勉強もしないと」


イチカは村の中心部の道を家にむかって走っていた。

周囲にはパブや食事処が立ち並び、道には陽気な酔っ払いたちが楽しげに談笑している。


「よう!イチカ!ついに剣術の師範まで負かしちまったそうだな。

14才での入隊なんか、あの伝説の天音兄妹以来じゃねえか?」

「まちなよ、マスター。まだ入隊決まってないだろう。

なんせ学力の方の試験もあるんだから」


パブの店主や常連客が道を走るイチカに声をかける。

この村の住人はほとんどイチカにとっては家族も同然の中だ。


「うるさい!酔っ払いども!これから徹夜で勉強するの」

イチカは舌を出し、あっかんべーをする。


「まったく、しかしまさかお前が十字軍の兵士になるとはねえ。

ちっと前までちびっ子だったのにな。怪我すんなよ!」


パブの店主であるスミスは、娘を見るような温かい目でイチカに言葉をかける。


「ありがと!スミスさん!受かったらただ酒よろしくね」

「おう!成人したらな」



その時だった。



「おい、、何だよあれ」


道を歩く村人が、時計台の方向を指さして声をあげる。


イチカもその方向に目を向けた。


村で1番高い建物である時計台。

その上に、月明かりに照らされた人間が立っていた。


「なあ、あれ十字軍の隊服じゃねえか。てか、黒い翼みてえの生えてね?」


隣にいた村人の言葉にイチカは目を凝らして時計台を見据える。


「胸元に鷹のエンブレム。第一師団の紋章…」

「イチカ、お前相変わらずバカみてえに目がいいな!やっぱそうか、じゃああれは」


イチカは、不気味な予感に思わずつばを飲み込む。


「…マヒロ団長?」

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