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第7話:帰還

 


「さてと……そろそろ僕は帰るとするよ!」

「そうなの?」

 隕石落下阻止後、ずいぶん地球観光を楽しんでおられたご様子でしたが……満足したの?

「そうだね! 大満足さ!」

 善処お願いしま~す。

「ん? それって地球滅亡の危機―――天災ゲージはもう発生しないってこと?」

「これからも起きるだろうね!」

 そうですか……。

 ん? それってつまり、アマテラの神権の効果は永続?

「……つまりこれからもずっと天災を防げと?」

「理解が早くて助かるよ!」

 デスヨネ……。

 でもま、アートとはいえ、全世界にほぼほぼ全裸を晒したわけだし。これ以上恥ずかしいことはないか。

 ……いや、一個あるじゃん。DTキングの異名を頂戴して大賢者からの神就任コースだけは……全力で回避したい。

 ……マジで。

 それにしても、やっぱ納得いかない。

 なんでオレなわけ?

 地球を救うなんて大役、別にオレじゃなくてもいいじゃん。

「説明しよう! それはね―――」

 だから心を読むなって。

「―――善処するさ! それでね―――」

「あ、カイトさん? だっけ? 遠縁の?」

「―――その通りさ!」

「……?」

「……?」

「え? それで説明終わり?」

「そうだよ?」

「……じゃあさ、なんでカイトさんの遠縁だと、アマテラにロックオンされるわけ?」

「それはカイトが僕に恩があるからさ! 君に返してもらおうってスンポーさ!」

 ふむ。

「なら、オレの父さんか母さんとかでもよくない?」

 オレの従妹とかさ。

 他にも候補はそこそこいると思うんだけど?

「それじゃ、面白くなさそうだろ?」

「ソウデスカ」

 アマテラの気まぐれで選ばれたってことか……。

「あ、思い出した! カイトから君に伝言を預かってるのさ!」

「マジで! それそれ、それだよアマテラ!」

 きっとそこに答えが!

 てかそういうのは最初に見せろよ!

「さぁ受け取るがいい!」

「ははぁ~」

「ならばよし!」

 うん。なにが、ならばよしなのかは置いておいてっと。

 どれどれ……えっと―――

「―――イケメンは爆ぜろ。 追伸 アマテラの世話は任せた!……だと?」

「さすがカイト! ぶれないね!」

 は?

 ってことは……カイトさん、いやカイトのクソ野郎の縁者のなかで一番イケメンでモテモテのオレをねらったと?

 それも、ただカイトの野郎がイケメン爆ぜろ信仰の熱心な信者だからだと?

 嫉妬じゃん!

 完全なる嫉妬じゃん!

 てかなんなの?

 イケメンだけどDTだよ?

 オレに嫉妬する意味ないんだよ?

 なんなの?

 カイトの野郎もDTなの?

 でもDT民同士で争っても勝者なんていないんだよ? みんな仲良く敗者なんだよ?

 てかアマテラ、なに高笑いしてんの?

 世話を任せたとか書かれてるよ?

 これ、ディスだよ?

 いいの? 偉大なる太陽と何とかの女神ディスられてるわけだけど、いいの? カイトの野郎にお仕置きとかしないわけ?

「お仕置きはしないさ! なに、僕もほんのちょびっとだけカイトには世話になってることもないわけじゃないこともないのさ!」

「……?」

「さぁ、どっちだい? どっちなんだい?」

「大人がそういう回りくどくてわかりにくい表現に逃げる時は、たいてい、引け目がある……つまり、カイトのクソバカ童貞野郎の世話になってるんだな?」

「さすが理解が早いじゃないか! まぁ、ほんのちょびっとだけだよ!」

「世話になった話、教えて?」

「ならばよし! では……映像を君の脳にダイレクトデリバリーしてやろうじゃないか!」

「は? ちょっとまっ―――」

 ―――嘘だろ?

 え?

 マジで?

 カイトのクソバカ童貞カス野郎……いや、ここからはカイト様と呼ぼう。

 カイト様……神様じゃん。

 転生して異世界で神様してるじゃん……。

 てかアマテラ……ちょっとどころじゃないよねこれ?

 ほぼほぼカイト様のおかげでアマテラ―――いや、その星の神々や住民が救われてるじゃん……。

 あ~、なるほど。

 それで、お仕置きついでに遠くの―――別の宇宙へと飛ばされて、ここにやって来たと。地球の危機を救うまで帰ってくるな―――いや、違うのか。

 アマテラが適任だっておだてられてチョロくもこの星にはるばるやってきたと……。

「……アマテラ、チョロすぎ」

「なに言ってるのさ! 普段完璧なあの子がうっかりチョロイくらい隙を見せた瞬間が超絶カワイイ……これがこの星における唯一無二の真理なのだろう?」

「………ソウデスネ」

 カイト様、いったいどれだけ……いや、止めておこう。

 心を読まれてしまうから。

「ま、そういうことだから! そろそろ僕は帰るよ!」

「わかった」

 アマテラはもともと、違う宇宙の神様なんだから。

 こちらに長くお引き留めするのも……申し訳ない。

 仕方ない。

 ご本人の帰りたがっているわけだし。

 これで久しぶりにゆっくりと、気兼ねなく……悶々できる!

「さ、善は急げだ! アマテラ、気を付けてな! 色々と助かった! マジ感謝!」

「あぁ! 僕も楽しかったよ! 地球は僕らの星じゃ憧れの聖地みたいなもんだからね! いい自慢話ができたよ!」

「そりゃよかった! じゃ、そういうことで。あ、そうそう。カイト様にもよろしく伝えて!」

「僕に抜かりはないさ! すでに記録はカイトに向けて送信済みだとも!」

「……え?」

 記録って言った?

「言ったよ?」

 だから心を読むなって。

「で、ちなみにその記録ってさぁ……オレがカイト様をカイトのクソバカ童貞カス野郎呼ばわりしたさっきの心の内面パートも入ってる?」

「当たり前だろ?」

「……了解。オレはカイト様のことが大好きって言ってたと……アマテラからも強調しといて」

「わかったよ!」

 ま、気にしないでおこう。

 いちいち、遠く別の宇宙に居る縁者のちょびっとした暴言に腹を立てるほど、カイト様の器は小さくないだろうし。

 だって神様なんだよ?

 器デカいでしょ?

 それにオレのことなかより、気にしなきゃいけないことたくさんあるでしょ? 多忙でしょ?

「心配しなくていいさ!」

「だよね?」

 心読んだよね?

「カイトはなかなかに有能だからね。君を気にかける余裕くらいあるさ!」

「え?」

 いや、そんな余裕なくていいんだけど?

「……そうだろ?」

「え? 」

 オレ、知らないけど?

 カイト様の有能さなんて。会ったこともな―――

「呼ばれて飛び出てふにゃらら~ん」

「―――え?」

「ヒュム族の守護神、カイトです! ども~、初めまして~!」

「え?」

「てか地球懐かしすぎるっ! さっきチラッと散歩してきたけど、最高だよね地球!」

「あ、アマテラ? こ、こここ、こちらのお方は?」

 ワクワクしながら人のベッドの下を漁るこのお方は?

「カイトだよ? 今、自己紹介したじゃないか!」

 ……マジか。

 見た目は中学生中身は神様って……や、そんな場合じゃない!

「ちょ、その端末は―――ちょっと、そのあ……止めて」

「だよね~。今どきのDKはデジタル端末だよね~」

 なんで?

 なんでロックを解除できるわけ?

 神だから?

 そんな能力必要なの? いや、不要だろ!

「ちょ、マジで勘弁してください! カイト様……頼みますって! ちょっと!」

 なんだろう。

 絵的には中学生にいじめられてるDKに見えなくもない……。

「いや、様とかつけなくていいって! もっとこう、気軽に呼んでくれていいよ! なんだっけほら、え~っと―――」

「や、恐れ多……」

「―――カイトの野郎、だったっけ?」

「………さーせん」

「あ、違うか。クソバカ童貞カス野郎、だったよな?」

「………すいませんでした」

 マジで。マジですいません。

 調子にのってました……。

「いや、いいんだよ! なんだキング、オレ勘違いしてたみたいでさ! 君、超いいヤツじゃん!」

「そうです、かね……」

「だってほら、君……DのTなんだろ?」

「―――はい」

「いや、まさかね! キングって呼ばれてるくらだからもうそれはケシカラン生き方をしてるのかと思ってたよ! しかし君、いいね! 見込みがあるよ!」

「こ、光栄です」

 てか見込ってなに?

 怖いんだけど?

「あぁ、言ってなかったっけ?」

 カイト様も心が読めるんですね……。

「当たり前じゃないか?」

 だからアマテラも、心を読まないで……。オレのプライバシーを返して……。

「説明しよう! このままDT街道まっしぐらで魔法使い、賢者、そして大賢者……。このまま上級職に登りつめて行くと……」

「……行くと?」

「最終的には君、神様になれちゃうかもね?」

「そうさ! 神の居ないこの星で、大地は神になるといい!」

 アマテラまで……そんな冗談言っちゃって。

 面白くないよ?

「「ガチだけど?」」

 ……………。

 ………。

 ……。

「と、ところでカイト様! なにしにこちらへ?」

「アマテラが次元を繋いでくれたから、つい懐かしくなってさ。でも、やることいっぱいあるし。オレももうすぐ帰るよ」

「そうだね!」

「そうそう。PのSの5とか、いろいろとクリアしなきゃいけない案件が多くてさぁ」

「ソウデスカ」

 それ自宅警備員の業務内容じゃん……。

「ってことでアマテラ、帰るぞ!」

「ど、どうぞお気を付け……て?」

 あれ?

 帰るって……そっから?

「あ、そうだ大地! ロッカーは借りておくよ! 気が向いたら僕の城に遊びに来るといいさ!」

「や、ちょっと待って……整理が必要」

「なんだい?」

「帰るって、その、オレのロッカーのこと?」

「そうだよ?」

「つまりそこ、アマテラたちの宇宙と繋がってるってこと?」

「そうだよ? 桜餅工場が見えるだろ? あそこで僕の眷属たちが、二つの世界の接続を進めていたのさ!」

「え? じゃあいつでもこっちの世界に来れるってこと?」

「そうだよ?」

 ダメじゃん……。

 オレがうっかり悶々してる時に女神降臨とか……ハズカシネル……。

「いや、安心するといい。大地の悩みは理解しているつもりだ。毎週水曜日に、アマテラをこの部屋に寄越そう。それ以外は―――な?」

「か、カイト様……オレ一生、あなたについていきます」

「ならばよし!」

 だからなんで、アマテラが偉そうなんだよ……。


「しかし、この時の大地は、まだ知らないのだ。

 この盟約が守れることがないと言うことを。

 なにかあるとすぐアマテラはやってくるし。

 カイト様もアマテラが手に負えない時にはすぐにここに派遣してくるし。

 うっかり家に連れ込んだ女子とムフフフフンな展開になるのを防ぐように、超絶美女がロッカーから現れて桜餅を投げつけてくるということを……。

 ゆえに彼は、悶々としながら天災ゲージを解除する日々を送ることになるのであった!」


「……ちょっとカイト様。ナレーション風に……嫌な予知残すの止めてくれません?」

「……であった! ならばよし!」

 よくねぇよアマテラ……。

 お願いだから、マジで止めてね?

 オレ、魔法使い賢者経由大賢者からの上級ジョブ―――神様になんてなる気ないからな?

 あれ?

 てことは―――

「―――カイト様も、DT?」

「さぁアマテラ! 大地が傷つく前にさっさと帰るぞ!」

 え?

 ちょっと待って?

 そのリアクションは―――どっち?

 へんな謎残して帰らないで!

 頼むから!

 なぁ……どっちなの?

「あ、そうそう。これを君に授けよう」

「ん? なんですかこれ?」

「その名も―――地球物語セカンド」

 地球物語って、確かコアな人気を誇ったカルトゲーム……。ゲームで発生したイベントが地球の災害を予知してたって話題になったアレの……セカンド?

「そうそう!」

 これをオレにくれたってことは……地球のフラグ回収に役立つってこと? つまりこれ、予知が入ってるわけ?

「そうそう! いいね! 察しがいい!」

「だろ? 大地は僕見込んだ人間だからね!」

「なんでアマテラが偉そうなんだよ?」

 カイト様……もっと言ってください! オレに無茶ぶりしておきながら、アマテラはずっと桜餅とポテチ摂取してましたからね!

「ほぅ? アマテラ、後で話をしような?」

「な、なんのことだい?」

「ったくこの残念女神め……」

 もっと言ってやってください!

「わかったよ。アマテラにはオレから罰を与えとくから。それよりも―――…まぁいいか」

「ちょ、そういうの気になるんですけど……」

 言いかけて止める。

 しかも神様だし。

 さすがにそこで止められたら、気になり過ぎるでしょうよ……。

「だよなぁ。じゃあ、報告だと思ってくれ。さっき散歩ついでに神社に行って……見て来た。君が意味を与えた、例のアレをね」

「アレって……神社の? 犬ですか?」

 アマテラが神威を注いだアレ。

「え?」

「え?」

 何かヤバいの?

「今、なんて思った?」

「アレですよね? 神社の犬で、そのアマテラが神威を注いだやつ……」

 え?

 ちょっとカイト様、そのやっちまった顔なんです?

 え? マズいの?

「アマテラ? お前の神威を注いだってことは、さっきの報告動画にはなかったけど?」

「さ、さぁ~、なんのことかなぁ~。あ、桜餅工場が大変だ! 僕は先に行くよ! じゃあね大地!」

 はやっ。

 セリフ言い終わる前に、お姿が見えなくなってたし。超速移動、いや、瞬間移動かも。それにしても……プライドに障るっていうかさ。神からしたら、短距離インハイ優勝レースのオレなんて、のんびり歩いてるように見えるんだろうな……。

「ったくあのバカ女神……。悪いね大地、アマテラがやらかしたっぽい」

「それは……マズい感じですか?」

 アマテラがやらかしたってことですよね?

「ま、やらかしたのはアマテラだけど。でも、何よりも君だよ君」

「へ? オレですか?」

「あぁ。これで大地―――君は完全に巻き込まれたことになる」

 嫌な予感しかしないんですけど……。

「アレはね、認知の外にいる者―――排斥者だ」

「排斥者?」

「あぁ。大罪を犯した神やその眷属の成れの果て。その罪により、この世界の生物の認知の外に置かれる―――つまり一生誰にも気がついてもらえずに彷徨う存在」

「それって幽霊みたいな?」

「イメージとしては近いけど……ちょっと違うかなぁ。神にとって気づいてもらえない―――つまり人々から忘れされられるというのは、究極の罰なんだ。だって信じられることで神は存在し、信じられるがゆえに神は力を得るのだから」

「……なるほど。で、アマテラがやらかしたっていうのは?」

 この話がどこに向かうのか……まだオレには読めない。

「アマテラの神権で力を得た君には、アレが見えた。そしてアレは、君に願いを叶えてもらった」

「あ、意味を与えたってそいうことか」

 なるほど。数時間ずっと見つめる……つまりアレをオレが認知してるって状況は、アレからすればご褒美だったと。

「うん。排斥者は認知され、自分の存在が他者にとって意味を持つことを願った。かつて神であった時のように、ね」

 そっか。

 どれほど長い年月忘れ去られてたのか、オレにはわかんないけど。

 でも、ずっと孤独で……キツくて……寂しかったんだろうなぁ。

 アマテラとオレに見つけてもらえて、認めてもらえて……嬉しかったに違いない。

「うん……そうだね」

「やっぱ、そうですよね」

 カイトさん、いい神じゃん。

「で、排斥者って重罪を犯した神や眷属だからさ。基本的に救うのNGなんだよ。神が知ったら……神罰がエンドレスで下されてもおかしくないレベルでNGなんだよ」

「……マジで? すか?」

「うん。ま、オレも排斥者救って仲間にしちゃったことあるからさ! そのあたりにはちょっと詳しいわけ!」

 ……遠縁、だっけ。同じミスをしでかすなんて。血の力とは恐ろしい……。

 てか、アレ?

 そもそもこれ、アマテラのせいじゃん!

 アマテラが、なんか神社が怪しいって言ったからじゃん!

「ま、諦めるといい。アマテラは問題を解決しているようで、より大きな問題を生み出す残念女神なのであるからして……」

「うわぁ……」

 カイトさん、きっとアマテラに巻き込まれたんだろうな……。マジでオツです……。

「ありがと。でも大地は―――もっとやっかいなことになるかもね」

「え?」

「アマテラが神威を注いだ―――それはすなわち、あの排斥者がアマテラの眷属になることを意味する」

「眷属って……仲間みたいなもんですか?」

「まぁね。つまり、この宇宙の神々からすれば、他所の宇宙からやって来た女神が、自分たちが罰した排斥者の重罪を勝手に減刑した挙句、仲間に引き入れたように見えるわけで」

「……うわぁ」

 カイトさん、マジでオツです。

 それって弁解と謝罪が必要な案件ですよね?

 怖っ。

 神々の裁判なんて、オレなら泣くな……。

「や、他人事じゃないって。そうなるよう願ったのは大地―――君だと、この宇宙の神々は判断するだろう」

「え?」

「現に君は、アレを見つめながら命の誕生をイメージした、だろ?」

「えぇ。卵とか胎児っぽいような……そんな風に見えたので」

「つまり君が新たな生命として再生することを排斥者に望み……それは実現された。アマテラの神威を借りて、ね」

「……いや、いやいやいやいやいや! 神威を注いだのはアマテラが勝手にした―――」

「その説明を信じてもらえるかどうか、オレにもわからないね」

 ……アカン。詰みだ、詰み。

 物事が起こった順で考えると……オレが願って……アマテラが力を貸したって解釈可能だ。

 てかアマテラめぇぇぇぇぇ!

 なんてことしてくれたんだよぉぉぉぉぉ!

「まぁオレも、もと地球人だし。アマテラ派遣したのオレだし。地球には神はいないけど、この宇宙に残ってる神々に……説明はしてみるよ。でもあんま期待しないでくれよな!」

「いやいやいや! 期待しかないです! 頼みますカイト様!」

 マジで!

 このか弱いDKをお救いください!

 オレ、DTのまま神罰で消滅するのは嫌ですからっ……。

「ま、頑張ってみるよ。でも誤解が解けるまでは……地球に天災が起こる可能性は高いと思う。特に大地の周辺で、ね。頑張れ!」

「……はい」

「ちなみにアレは、君に大きな恩があると感じているようだ。だから、ここを訪ねて来たら、世話をしてやるといい。力になってくれるだろう」

「……わかりました」

「じゃあそういうことで。これはオレからのプレゼントな?」

「え?」

 ふわりと笑いながら、そっとオレにデコピンして。

 痛くはないのに妙に心身に響いた衝撃波のせいで、軽い目まいを起こして。

「夢を見るといい。今宵の汝は夢の支配者。汝が望む通り夢物語は進むであろう」

 倒れ込んだベッドの上で、オレは夢におちる感覚を味わう。

 それは――――とても幸せな悶々になる予感。マジでありがとうカイト様…… あなたに一生ついていきます。


      ……… to be Continued?






お付き合いくださりありがとうございました!

拙作『マッチポンプ』の番外編単話連載となる本作、いかがでしたでしょうか。

書いててとても楽しかったので、ストックができたらふらっと短期連載をしようと思います!


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