ニート排除法
完全に勢いで作った作品。謎すぎる
『ニート排除法案』
傷病者、高齢者、学生を除いた、三年間納税をしていない人、つまり三年間ニートをしている人物は強制的に未開拓地に送られ開拓をさせられるというもの。
これが初めて国会で審議されたのは、
二〇二〇年十二月の事であった。
二〇二〇年の十一月頃の話である。日本史史上最大のデモが国会議事堂前で行われたのであった。
年々上がり続ける税金、納税者達はこれまで何度も「税金を下げてくれ」そう懇願してきた。
しかし政府は一切要求を飲まない。「これ以上少なくすることは無理だ」決まり文句の様にそう言い拒否し続けた。
納税者も譲れない。家庭がかかっているのだから。そこで納税者は考えたのであった。
納税者が増えれば……すなわちニートが働くようになれば、一人一人が負担する税金も減る。政府はもう頼れない、と。
そうした背景の下デモが行われ、遂には『ニート排除法案』が提出されたのだ。
当初、政府としてはこれを認めようとしていた。だが一筋縄には行かない。
頑なに働こうとしなかったニート達が立ち上がったのだ。
許せねえ!!俺らはスマホ・パソコンから一分以上目を離すことが出来ねえんだよ!!ぜってえ働かねえ!!
これはニートの格言として日本史の教科書に載っているものだ。
インターネットが普及した時代。ネット掲示板などを用い家から出ないニートが結託するのはそう難しくない。
デモがデモを呼ぶ。そんな地獄の状況が日本に訪れた。
しかし、結果としては『ニート排除法案』は五年かかったものの認められたのだ。
二〇二五年には『ニート排除法』が公布され、二〇二六年六月から施行される事となった。
『ニート排除法』が施行される直前、二〇二六年五月、首相宅の元に脅迫状が届いた。
ニート排除法施行を取り下げろ。さもなくば日本各地で暴動が起こるだろう。
そんな脅迫状だ。
これを受け、再び法が審議されたのは言うまでもない。
法の施行は延期され、審議は八月まで続いた。
だがどう考えても、ニートの数より納税者の数の方が多いのだ。
日本は多数決を好む国家。より多い方の意見が採用される国だ。当然施行される事になる。
法案が提出され、ピッタリ六年。二〇二六年十二月、遂に『ニート排除法』が施行された。
一ヶ月、二ヶ月、暴動は起こらなかった。政府は、暴動など起こらない、そんな行動力があるなら就職しているだろう。完全にニートを舐めきった思考になり気を緩めていた所であった。
同時多発テロが起こった。東京、名古屋、大阪、日本の主要都市で銃火器を持った者が大量殺人を始めたのであった。
ここからニートと納税者の戦いは本格的に始まった。
「うおおおおお!!殺せ!!殺してしまえ!!!納税者など居なくなれ!!ニートだけの世界ならニートは許される!!撃て撃てえええ!!!!」
ズドドドドドドドド
「た、隊長!」
「なんだ!!!」
「向こうからおよそ千人程の納税者どもがやってきます!!」
「なに!?だが、こちらは三百人全員がマシンガン、手榴弾持ちだ!勝てるに決まっている!お前ら行くぞ!」
おおおおおおおお!!!!!
ニート軍一番隊隊長の言葉により隊の士気はいっそう増す。
カランカラン
隊の下へと何か丸い物が投げ込まれる。
「た、隊長何か飛んできました!」
「こ、これは……全員退避退避!!!すぐさまここを離れろ!!!」
ドカアアアアン!!!
小さな見た目からは想像できないほどの威力の爆発が起こる。
「くっ、クソっ!!あいつらやりやがった!」
先の爆発により生き残ったのは隊長のみ。一番隊はほぼ壊滅。
最後になんとかし返してやろう。穴を掘りそこに手榴弾を埋め隠す。隊長はそれっきり絶命をした。
「これだからニートは。素直に働いていればいいものを」
ゴミを見るような目で数々の死体を見下ろしながら隊長だったものへと近づく。
「こいつが一番隊隊長か。雑魚だったな。ニートには学がない」
隊長の肉塊を見下ろしていると、チラと緑色のプラスチックだろうか、土の中から出ている物が目に入る。
瞬間、隊長の辺りにいた人間数十人はこの世から消える。
こんな一進一退を繰り返す戦争は十年に渡って繰り広げられた。
どちらが勝利の旗を手にしたのだろうか。
結果は、どちらも勝利し敗北した。
日本国民は……いや日本は終わったのだ。
戦争により日本国民はほぼ絶滅。戦争により荒れ果てた土地は誰にも手入れされることはなく、ただただ野生動物の住処となるだけであった。
こんな結果誰が予想出来ただろうか。
こうして地球は今日も回り続ける
ジャンル、ローファンタジーにしたけどどうなんだろう




