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試練は全力で


 「おにいちゃんっ!さっきのすごかったねっと!!」

 「はいはい……その話何回目だよっ!!そこっ!!」


 さっきの戦いから少し後、俺たちはサウスバード5匹の群れと戦闘中である。

正直サウスバードは火こそはいては来るが大して狙いが定まってないし、数も多くて5匹だから戦いやすい。サマービーのほうは毒持ちに加えて数が多いから苦手だ。とはいえほとんどの魔物がサウスバードなので、索敵を怠らなければおいしい狩場になっている。


 「これで終わりっと。そんなに苦戦しなかったな」

 「そりゃこんだけ連携できていればね!ていうかまだ使ってないスキルあるでしょ?」

 「まぁ使いこなせてないから後で練習しようと思ってるスキルならあるが」

 「それだよそれ!【魔導陣】だったっけ?それも後で見せてよね!」

 「いいよ。とはいえ強敵相手に使うようなスキルだからな」

 「どんな感じなの?」

 「あれだ、ちょっと間違うと暴走するようなスキル?みたいな……」

 「え?それやばいじゃん!大丈夫なの!?」

 「まぁ強くしすぎなければ?」


 実際あの牛昇天事件はひどかったからな。あれ以降使うのを躊躇してしまう。

その後、俺たちはサウスバードを20匹、サマービーを30匹倒した。

正直MPが心配だったが【魔力コントロール】を使って節約したのとサマービーの群れの時は【フォールメテオ】を使い一撃で終わらせるようにして時短したので何とかなった。むしろ周りの被害を抑えながら戦うことで【生命の理解者】という称号を手に入れた。


 ___________________________


  生命の理解者


 自然を傷付けたくないと努力した者に送られる称号

 【自然保護】というスキルを入手できる

 ___________________________

 ___________________________


  自然保護


 次の攻撃での自然破壊を無効にする【称号】

 デバフ・木の伐採にマイナス補正

 リキャスト・1秒

 消費MP・0

 ___________________________


 【自然保護】はデメリットこそあるが、ちょうどほしかった効果なのでありがたい。称号の名前もかっこいいしな!

フィアは槍で攻撃をさばいてた時に【受け流し】というスキルを手に入れていた。もうあいつがメイン盾でよくね?

そしてここまで来たらこのフィールドのボスを見たくなるだろう?というわけで、おそらくボスがいると思われるところまで来ました!

辺りはクレーターのようになっていて、炎が噴き出ている。空がここだけ赤いのも不気味である。


 「なかなか雰囲気あるね!」

 「そうだな。さて、鳥に蜂ときてボスは何だ?」

 「私の予想だと……女王蜂当たりじゃない?」

 「じゃあ俺はまさかのカブトムシ予想でいこうか」

 「それじゃあ当たったら今日のおやつにプリンおごってね?」

 「俺が当たったらアイスおごりな」

 『ふむ、それなら我はドラゴンステーキを所望する』

 「おう!ってだれ!?!?!」


 そこにいたのは全身に赤い炎を纏った巨大な鳥だった。

大きさは俺の3~4倍はあるだろう。っていうかしゃべるの!?


 「あ……あなたはどなたでしょう……?」

 『我は朱雀。主よりこの地の試練を頼まれた身じゃ』

 「俺はスカーレッドと申します。ほら、おまえも」

 「!!えっと、フィアって言います。よろしくおねがいします!!」

 『ふむ。常識が分かっておる……おぬしら試練を受ける気はあるか?』

 「試練……ですか?」

 『うむ。内容はあえては言わん。ただわしと戦えばよい』

 「なるほど。少し話し合ってもいいですか?」

 『かまわんぞ。好きに話し合うとよい』


 朱雀か……中国の伝説に出てくる大鳥だったか?とりあえず朱雀様と呼ぶことにして……よし、取り合えずフィアと話し合って試練を受けるか決めなくては。

フィアは……がちがちに緊張してるな……


 「フィア、こっち」

 「……えっと、話し合うんだったっけ?」

 「そうそう。この試練の内容の確認と受けるか否かを決めようってね」

 「内容って……勝てばいいんじゃないの?」

 「そういう話でもないと思うんだ。たぶん俺達より格上だし。だから何か活躍する必要がある。言い方を変えると、認めさせる必要があるってことだと思う」

 「なるほど!なら簡単だね!全力でぶつかればいい!」

 「それとあきらめちゃだめだよ。こういう話は大体あきらめず立ち向かえば何かしらいい方向に行くし。」


 それとは別に今の俺たちはたぶん少し天狗になってるから鼻を折ってほしいっていう考えもあったりする。言えないけど。


 『どうじゃ?試練を受けるか決まったかのう?』

 「ええ。試練を受けさせてください。お願いします」

 「お願いします!」

 『ふむ。それでは朱雀の試練、開始させてもらう』


 そういうと朱雀様は翼を広げる。それだけで俺たちのところに熱風が届き、

さらに圧が来る。が、この程度に負けていたら試練などクリアできない!!

俺は全力を出し圧に負けずモーニングスターを振り払うっ!!

フィアのほうも耐えながらチャージしている。

!?!?振り払った一撃が朱雀様の翼の一振りで押し戻されるっ!?

何とか朱雀様と俺達との間に着弾し、地面に亀裂をつける。

せめて朱雀様のところまで攻撃を届けないと!!

フィアのほうを見ても苦しそうにしている。チャージが思ったよりうまくいかないのだろう。


 ならばっ!!もう一度薙ぎ払い!!

当然のように風圧で押し戻されるが、ここからだっ!

身体を軸にっ!回転してからの薙ぎ払いっ!!


 『ほう』


 朱雀様の一声が聞こえた瞬間、モーニングスターが翼で叩き落される!?

そんな……だがその攻撃を待ってるやつがいるっ!!

そう!フィアが身体をばねにするかのように勢いよく加速するっ!!


 「はぁぁぁあああああ!!!【強槍撃】!!」

 『ふむ。連携もなかなかだのう。じゃが!』


 フィアの一撃が翼に直撃する!しかし、その一撃で傷はつかなかった。


 「これでもだめなの!?」

 『おぬしは火力がちと足りておらんな』

 「でも翼の動きは止められた!おにいちゃん!」

 「おう!【フォールメテオ】!!」


 MPを20も魔力を纏った鉄球が朱雀様に迫るっ!

これはやっただろ!



 だがしかし、朱雀様は大きく翼を広げ、空へと回避した。


 『ふむ。先ほどのは我でも食らいたくはない一撃じゃったな。おぬしら、なかなかやるようじゃのう。我に回避させようとは』

 「それでも一撃も受けないですか……」

 「それでも私たちの連携は間違ってないはずだよ!」

 「そうだな。もう少し頑張りますか!」

 『ふむ、気合十分じゃな。それじゃあ第二ラウンドと行かせてもらうぞ』

次は25日を予定しています


次回をお楽しみに!

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