初クエストはギルド内で
さて、予定にない称号を手に入れたけど、フィアと合流しよう。
フィアはどんな称号だったんだろう?えーとフィアは……
「いたいた。そっちは登録終わったか?」
「終わったよ!そうそう!称号手に入れたんだ!」
「やっぱお前もか」
「お兄ちゃんも!?ってことは全員に配られるやつだった?」
「おそらくはな。ただ内容は違う可能性があるな」
「なるほどね!お兄ちゃんのは何だったの?」
「俺のは【丁寧な正直者の舌】ってやつだった。おまえは?」
「私のは【前向きでまっすぐな者の舌】だったよ!」
「なるほどな。そういえばこれからどうするんだ?」
「少しクエスト見てからフィールドに出てみない?戦闘パターンも確認しておきたいし」
「了解。それじゃあクエストボードに行くか」
そう思って振り返ると、クエストボード前はかなり混雑していた。
どうしようか?そう思って周りを見渡してみるとクエストボードから少し離れたところで何かをして離れてくNPCの冒険者が目に入った。
「お兄ちゃん、どうする?あの混雑じゃあクエストまともに見れないよ?」
「少し心当たりがある。ちょっと待っててくれ」
「わかった!」
もしかしたらNPCのほうがこういうのに詳しいかもしれない。そう思ってさっきの人に話を聞いてみた。
「すみません。少しお話いいですか?」
「あ?どうしたんだ?」
「いえ、あの混雑のせいでクエストボードにたどり着けそうになくて困ってたんです。そしたらあなたがクエストボード付近で何かしてたのが見えたので、何か解決方法を知っているのではないかと思いまして」
「そういうことか。お前たち新人は知らないみたいだがギルドカードを持って念じるとウィンドウっつうもんが出てくる。そこからクエストってとこを押すと今受けられるクエストが一覧になって出てくるから受けたいクエストを押せば受注完了ってわけだ。これでいいか?」
「もちろんです!ありがとうございます!」
「そうだな……あそこにいるやつらにもこの情報教えてやってくんねえか?これでも困ってるんだわ」
「了解です!」
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クエスト・クエストカウンター前の混雑を解消せよ
クエストカウンター前にいる人にウィンドウからのクエストの受け方を教える(0人/10人)
報酬・アダマスのフレンドカード
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!?!?!
クエスト……だと!?報酬はこの人のフレンドカードかな?10人にさっきのを伝えろってやつか?地味にめんどい……
まぁやるけどさ……しかし1人1人に教えるのも大変だな……ならば!
「ウィンドウからクエスト受けられるってよ―――――――――!!!!」
大声で叫んだが恥ずかしっ!!でもクエストボード前を観察すると少しずつ人が離れていってるしクエスト完了かn【クエスト完了しました】ほらね?
「坊主、ありがとな。おかげで助かった」
「いえいえ!これくらいはどうってことありませんって」
「お礼になるかわかんねぇがフレンドにならないか?何かあったら遠慮なく呼んで構わないから」
「いいんですか!それじゃあフレンド交換しましょう!」
もらったカードの番号を入力するとカードが消えていってフレンド欄にアダマス・I・フリードの文字が追加された。フレンドカードは使い切っぽいな。それにアダマスさんって苗字もち?てことは貴族とかだった?まぁどっちでもいいか。
さて、クエストボード前はどうなったかな?うん、さっきより圧倒的にすいてるね!フィアのこと待たせてるし合流しようか。
「ごめん。あっちでいろいろあって……待たせた?」
「大丈夫だよ!それよりすごいすいたねー!」
「まぁクエストボード前は行かなくてもいいらしいけどね」
「お兄ちゃんが叫んでた声聞こえたから確認したけどそうみたいだね」
「まぁいいや。で?どのクエスト受ける?」
クエスト依頼を見る限り北がゴブリンと亀で報酬高め。南が鳥と虫で報酬は一番低いがクエストは多い。東がトカゲや兎で報酬もクエストの量も普通。西が猫と狐で報酬低くてクエストはそこそこある感じか。また変な組み合わせが多いな?この感じだと行くべきなのは……
「北が人気みたいだけど私的には人気無い西か南を押すよ!」
「それまたどうして?」
「西も南の人気無いってことはまだ見ぬクエストがあるかもっていうのと人が少ないほうがいいでしょ?」
「それもそうか。それじゃあ俺もフィアも対空性能あるっぽいし虫も大丈夫だから南行こっか!」
「OK!」
それに南はクエストの数が多いってことはそれだけNPCに需要があるってことでこの街に貢献するなら南かなっていう風に思ったのもある。さっきのアダマスさんや井戸端会議してたおばちゃんたちのことも考えるとね。
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そういえばフィアの戦闘スタイル知らないんだよな。明らかに翼生えてるし鳥人だとは思うんだが……
「フィア、ステータスの見せ合いしないか?戦闘パターンの確認のためにもさ」
「いいよ!先にお兄ちゃんから見せてよね?」
「了解!これでいいか?」
「うわっ!何このピーキーな感じ!楽しそう!」
そこで楽しそうって言葉が出てくるあたりがお前らしいよ……モーニングスター地味に難しいんだからな?伸び縮みする鎖の調整とか防御に向かない形とか、あと手のしびれるくらいの衝撃もつらいし。
とはいえ俺も楽しんでるけど。
「フィアのはどんなのなんだ?お前の感じからして多少はロマンもあると思うけど……」
「今回は割と堅実にやったよ。じゃじゃーん!!」
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フィア/鳥人
クラス
軽戦士/魔導具技士
HP/MP
180/185
スキル
スターストライク・クリティカルポイント・強槍撃・チャージ・残像
クラススキル
弱点補正・魔導具作成
魔法
ライト・ウォーター・ファイア・リーフバレッド・ホーリーランス・前向きでまっすぐな者の舌
称号
前向きでまっすぐな者
装備
始まりの槍
初心者の帽子
初心者のシャツ
初心者のズボン
初心者の靴
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たしかにまともに見える……
ただ俺は見逃さないぞ。さらっと【魔道具作成】があるってことは、どうせ槍からビームでも放つ気なんだろうな。でも基本は空中から弱点に向かっての突進か?生産もできるってのは金策としてはありだな。
魔法はサバイバルセットみたいなのそろってるし意外と堅実なのは間違いないな。
「なかなかいいキャラしてるじゃん!」
「キャラメイク頑張ったんだから当然だよ!めざすは空からビームを飛ばしつつ突進する戦闘スタイル!」
「案の定そのために魔道具技士になったのな、まぁ【魔法陣作成】で手伝えるかもしれんし応援するし協力するよ」
「おー!ありがとう!」
そうと決まればビームの魔法陣もはやめに完成させないとな。
次回、ようやく戦闘シーンまで行けそうです!
次は21日を予定しています
次回をお楽しみに!