光の獅子が駆け抜けて
あれから俺たちは、露店を抜けて大通りまで歩いてきた。
地味に遠いというか、この町がでかいんだよな。まだいろいろ見て回りたいところあるし。あ、そういえば……
「なぁフィア、例のところ行かなくていいのか?」
「例のところって?」
「ほら、お前が魔道具作りたいって言ってた時に師匠から知り合いを紹介してもらってただろ?一回顔見せだけでも行くべきなんじゃないか?」
「あー……忘れてた!ちょっと行ってくるね!先帰ってて!」
「りょーかい」
ったく、なんでああも簡単に大事なこと忘れるかな……
まぁいったんその話は置いといて。俺も帰ったら魔法陣の調整をやんなきゃな。
あの魔法陣完成度は高いからあとは微調整で威力を下げないように光を抑えれば完成かな?あともう一個の魔法もチェックしなきゃな。
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「ただいま」
「おかえり、フィア君は一緒じゃなかったのかい?」
「フィアは師匠の知り合いのところにいると思いますよ」
「あぁ、彼女のところに行ったのかい。それなら安心だ」
師匠の店に帰ってきた。アダマスは……見当たらないな。出かけてるのか?
とりあえず客席に座って師匠と計画を練らなければ。
「それで師匠、この魔法陣なんですけど……」
「どれどれ……ふむ、確かにきれいな魔法陣だ。それで?この魔法をどうしたいんだい?」
「威力はそのままに光を抑えて消費MPも軽減したいんですよね。まぁ理想でしかないですが……」
「なるほど、それでどういった改造をすればそうなると思うかい?」
どう改造するかねぇ……単純にパーツを足すと別の魔法になると思うから却下で……あとは位置の微調整とかかな?
「位置の微調整が限界ですかね?」
「ふむ、私的には似た文字に変えたりできないか気になっているんだが……できるかい?」
「似た文字があれば、ですね……使用できる文字が少ないんでどうなることか……」
「なるほど、それなら一単語じゃなくて複数の単語を合わせたらどうだろうか」
複数の単語か。そういえば考えたこともなかったな。今の言葉は獅子・道だから、おそらく獅子座の意味になる単語の組み合わせで似た結果になるか?
俺は師匠に一覧を書いた紙を見せる。
「この中の言葉を組み合わせて獅子座の意味にできればいけるかと」
「なるほど、これだけあるなら何とかなるかもしれないね?まずは……」
このあと2時間にわたって師匠と相談した。その結果、12をあらわす単語と春をあらわす単語、猛獣をあらわす単語の組み合わせで試してみることに。
とりあえずスキルのチェック前に効果の確認をしたほうがいいらしいのでチェック!まずは修正前の魔法から。
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名称未定【オリジナル】
光の獅子が輝きながら直進して相手にダメージを与える魔法
火力が高いが強い光を放つ【魔法】
消費MP・110
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あほだなぁ……特に消費MPが……
で、これを改良した魔法がこちら!
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名称未定【オリジナル】
光の獅子を生成して相手に攻撃する魔法
火力が高いがコントロール難易度が高い【魔法】
消費MP・20
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めちゃ文章変わってるけど基本は変わらないかな?
ただコントロール難易度の部分が気になる……まぁやってみるか!
「師匠!離れていてください!」
「もちろんだよ。的はあの位置で大丈夫かい?」
「えぇ!それじゃあいきます!【魔法陣】!」
位置の微調整もした結果、よりきれいになった魔法陣が金色に輝く。
「いきます!!【起動】!!」
起動と同時、光でできた獅子が俺の真ん前に現れる。ん?なぜ前に進まないんだ?もしかして……これをコントロールしろと!?
なるほど、面白い!やってやろーじゃねぇか!
「師匠!これは俺がコントロールするらしいです!」
「なるほどね。それならコントロールが上手くいかなかったときのために離れておくよ」
「助かります」
よし、あとはコントロールをするだけ!感覚でどう動かせばいいかはわかるんだが……魔力で誘導路を作るって難易度おかしいでしょ!?いや難易度がやばいのは説明で見たけど想像以上だった……
まぁやってみるしかないか。
魔力を絞って獅子の手前から的に向かって……
獅子がその光の道に沿って動き出す。まるで黄道の上を駆けるみたいに。
そうして駆け出した獅子が的に当たると、若干の光を放ちながら爆散!消えていった。
ま……的はどうなった!?
よし!的は上半分を消し飛ばせたみたいだ!てかコントロールむずすぎだろ。
集中力使うから戦闘中だと無防備になるな……封印かな?
「大丈夫かい?相当つかれているみたいだが……」
「大丈夫……といいたいところですけどちょっと休ませてください」
「うむ、もちろんだとも」
疲れた……この魔法習得できればでかいんだろうけどちょっともう使いたくはないかな?もう一個の魔法はまた今度だな……
そろそろストックがなくなってきた……orz
エタることだけはしないよう頑張ります!
次は6日を予定しています
次回をお楽しみに!




