アクセサリーは恥ずかしくても
フィアに案内された先は、すごい人込みだった。これは一体……
ふと周りに耳を傾けると、何やらこの奥に超凄腕の武器職人が来たらしい。
このままだとたどり着けそうになさそうだ。どうにかしないと……
「なぁフィア、その店あきらめて別の店行かないか?」
「いいけど……アクセサリーは見ておきたいよ?」
「わかった、ならここを離れるぞ?」
「りょーかい!」
俺たちは人込みを後にした。にしてもすごい人だったな。そんなにすごい人が来てたのか。まぁもう武器は頼んであるしこれ以上買っても意味はないからなぁ……
とりあえず離れはしたけど、この辺にアクセサリー屋あるかね?
お!あそこよさそうじゃないか?人が多いわけでもなく少ないわけでもない感じの店!
「フィア、あそこはどうだ?」
「あそこって……あの白黒の?いいんじゃない?」
「よし、それじゃあ行こっか」
********
店は白と黒で統一されていた。目の前にはショーケースがあり、中にはネックレスや指輪、腕輪なんかが入っている。思ってたより落ち着いた雰囲気だな。
「いらっしゃいませ」
話しかけてきたのはシルクハットと燕尾服をきた渋いおじさんだった。
ん?顔の上にあるアイコンってもしかして……プレイヤーか!?
もうプレイヤーメイドの店ってあるんだ!えっと、名前はクロウか。
「何をお探しですか?」
「えっと……どういうものがあるんでしょう?」
「もしやアクセサリーは初めてですか。ならば簡単にご説明します。アクセサリーは効果として隠しステータスである筋力や精神力、敏捷度等を上げることができます。また、ネックレスや指輪といったどういう形にするかで追加効果が決まります。詳しい内容はこちらをどうぞ」
そういって渡してくれたのは、形による追加効果の内容について書いてある本だった。曰くネックレスは自動回復効果、指輪はクリティカル率上昇、腕輪は1戦につき1度だけダメージを軽減、ブローチは運上昇などなど。
他にもいくつもの効果が書いてあった。
俺はどれにするべきだろう?面子的に疑似タンクをする俺からすれば自動回復はおいしいしダメージ軽減もあり。行動速度上昇の髪留めもありだしMP自動回復の眼鏡もありかな?
んー……ここは髪留めにするか。ちょっと恥ずかしいけど……
「あー……そういえば、この素材って使えますか?」
「ん?おぉ!サウスバードの素材か!今少し在庫がなかったんだ。余ってるなら買い取らせてもらってもいいかい?もちろん君たちの分のアクセサリーは全力で作らせてもらうから!いいかい?」
「もちろんです!私たちこの素材を余らせてたんで!」
「これだけあるんですけどどれくらいになりますかね?」
もちろんここで出せる限りの素材をすべて出し切る。ここが売り時だと思うしね!
「そんなにかい!それなら少しおまけしてこれくらいでどうだい?」
「え!?6000Gってそんなにですか!?」
「あぁ、需要のわりに狩ってる人が少なくて高騰しているんだ。間違いなく適正価格だと思うけどね?」
「それならその値段でお願いします!」
「それとその素材を使うと伸びるステータスが敏捷度に偏るんだよ。それでもいいかい?」
「えぇ、問題ないです。敏捷が伸びるならやりやすいですし」
「私も問題なしです!」
「それじゃあ後は形の注文だね?」
「俺は髪留めでお願いします」
「私は指輪でお願いです!」
「注文承った。それじゃあ明日、ここにきてくれるかい?それまでには作らせてもらうから」
「わかりました!あ、フレンドになりませんか!」
「もちろんだよ。えっと、これでいいかい?」
「OKです!」
「あ、俺もお願いします」
「どうぞ。それじゃあ明日来てくれれば完成してると思うから」
「えぇ、また明日」
「また明日!」
フレンドも増えたし、アクセサリーも買えた。素材も売り払えたし、これで買い物は終わりかな。後は師匠のところに帰って魔法の改良を手伝ってもらわなきゃ。
かなり短いですがキリがいいのでここまでです
次は5月の3日を予定しています
次回をお楽しみに!