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最初の特訓は厳しくて


 いよいよ本格的な特訓に入るわけだけど、いったいどんな特訓なんだろう。


 「さて、気になっているであろう特訓内容について発表しようか。まずはスカー君」

 「はい」

 「スカー君には私の攻撃をひたすら受けてもらう。やられないように抵抗したまえ」


 なるほど、防御の特訓というわけか。さっきは攻撃を受けなかったけど、受けたとき危うそうなのが分かったのかな?防御は苦手だからな……


 「次にフィア君。君には両手に重りを持って飛んでもらう。まっすぐ飛べるようになったら別の重りを持って飛んでの繰り返しだね」

 「わかりました!」


 フィアのほうは飛行中のバランス感覚を鍛える特訓か。難しいんだろうな。


 「アダマス君はいつも通り素振りと魔物狩りを頼む」

 「おう!」


 そういえばアダマスもジェームズ師匠の弟子だったな……アダマスの特訓内容を考えると特訓はほとんど終わってるっぽいな。俺達もそこに早くたどり着けるよう頑張らなきゃ!


********


 さて、特訓のために店の裏手にある広い空き地まで来たわけだけど、ジェームズ師匠はまだかな?アダマスはもうここで素振りしているみたいだし……

アダマスの素振りを見ながら待っているわけだが……あの速度でメイスを振るのにどれだけ特訓したんだか……普段は馬の合うおっさんみたいな感じなのに、今はすごくかっこよく見える。

頑張ってああいう風になりたいな。


 「スカー君、遅れてすまない」

 「いえいえ!大丈夫ですよ」


 ジェームズ師匠が到着したようだ。さて、俺の特訓はひたすら防御だったよな。俺も師匠も武器を持って準備万端だ。

師匠の武器は2本の杖で、長いほうが古代樹の魔杖、短いほうが深淵の魔杖というらしい。そのどちらもが魔法能力を上げる杖で、遠距離に特化していそうな武器だ。だけれども師匠は近距離戦を好む。なんでか聞いたところ、「相手に適性距離を見誤ってもらったほうが勝利しやすいのでね」と言っていた。

そんな近距離も遠距離もできる師匠の攻撃を受け続ける特訓はおそらく難易度も高いだろうし、防御の特訓としてはこれ以上ない方法だと思う。

さて、ここで俺について少し話をしておこう。おれは逆境に立たされるとき、逆に盛り上がるような性格をしている。つまり、今とんでもなくテンションが上がっている!


 「さて、始めようか」

 「了解です。かかってきてください!」

 「それでは行くぞ」


 師匠の最初の攻撃は……近距離か!師匠が一気に近づいてくる。

長杖を振ってきた!これは鎖で受け流す!

振り払いは……鉄球をおいて防御!

足払い!ジャンプで回避!

そこに突き!?鉄球は……間に合わない!ならば!!


 「【魔法陣起動・ファイア】!」

 「なるほど、そう来るか」


 地面にあらかじめ設置しておいた魔法陣で手をあぶるように攻撃!師匠も手を引っ込めるしかなかったみたいだ。


 「ふむ。攻撃に対する対処はほぼ完ぺきだね。少しペースを上げようか」

 「望むところです。お願いします!」


 そういうと師匠の攻撃は苛烈になった。

顔への突き!しゃがんで回避っ!

そこに振り払い!鉄球を置いて防御っ!ついでに魔法陣設置ぃ!

炎が飛んでくる!?魔法もありかよ!?【さっきの魔法陣起動・ファイア】!

よし!相殺した。次は……あれ?師匠はどこだ……

まさか……うしろっ!?



 しかし後ろには誰もいなかった……



 「惜しかったねスカー君。ただし気配をしっかり認識しないとこういう事態も起こりうることを覚えておきなさい」


 その声が真横から聞こえたと同時に俺の身体はくの字に吹っ飛んで行った。

そして意識を失った……


********


 「お兄ちゃん!?大丈夫!?」

 「ここは……」

 「ここはすぐ近くの診療所だよ!お兄ちゃんはジェームズ師匠の攻撃を受けて気絶したんだって!」

 「そっか、あの時……」


 あの時のことがようやく思い出せた。そうだよ、あの時思ったより簡単だなと思ってしまったがために油断して見失って攻撃を受けちゃったんだっけ……


 「フィアは何でここに?特訓してたんじゃなかったの?」

 「お兄ちゃんが気絶したって聞いて心配で見に来たんじゃん!」

 「ご……ごめん」

 「別に怒ってはないよ?まぁいいや、それで、これからどうする?」

 「どうするって?……あぁそろそろ時間なのか」

 「そう、もうログアウトしなきゃいけないい時間近いでしょ?」

 「そうだな、師匠たちに挨拶だけしてログアウトするか」


********


 師匠の店に到着した。師匠は心配してくれていたらしく、大丈夫か聞いてきた。なんでも吹き飛ばした地点では意識を失っていなかったらしく、その吹き飛ばした先でアダマスの攻撃の風圧で意識を刈り取られたらしい。どんだけだよ、アダマスの攻撃……

とりあえずアダマスをにらんだ俺は悪くない。だけどアダマスはそんなに謝らなくていいと思うんだが……


 「それじゃあまたあとで!」

 「またあとで!」

 「おう!またな!」

 「スカー君、フィア君、次の特訓を楽しみにしておくといいよ」


 名残惜しいが、俺たちは挨拶をしてログアウトしていった。にしても次の特訓って何なんだろう……不安だな……


********


 「晴樹、今回のゲームはどうだったの?」

 「どうって?」

 「特訓するって言ってたじゃない?どんな特訓だったのかなって……」

 「ああ。今回は防御の特訓だよ。ひたすら攻撃を受ける特訓」

 「なるほどね。最初に防御の特訓ってわかってるわね、その師匠。私もその師匠のところに弟子入りしようかしら」

 「………え?」


 お母さんと話してたら何か変な言葉が聞こえたんだが!?


 「え!?お母さんもAF始めるの!?」

 「だめ?一応予約は通ったから!」

 「誰もダメって言ってないけどさ……」


 お母さんもやるのか……別にいつも通りでいいんだけどなんか緊張してしまうのは俺だけなのだろうか……

一日目が無事終了しました!

正直ここまでかかるとは思ってなかった……orz


次は15日を予定しています

次回をお楽しみに!

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